坂本龍一氏のコンサート@マドリード・まさかの大ハプニングを収拾した「世界のサカモト」の実力!!
坂本龍一さんのコンサート@マドリードに行ってきました。今回は、チェロとバイオリンとピアノのトリオ。約1400人収容のホールはもちろん満席。日本人のお客さんの顔もちらほら見えました。私とフアンさんは、1列目のど真ん中の席。舞台からほんの3メートル程の距離です!
1曲目から、センシティブなサカモトワールドが展開されます。殆ど聞こえるか、聞こえないか、と言う程に繊細な音を駆使して展開していく曲の最中、突然鳴り響く連写のシャッター音。その音から、プレス関係のカメラマンだと言う事はすぐに想像がつきました。ちょっと、音デカイよ。消音装置着けなきゃだめでしょ?と、私でも思う程の音量。それでも、舞台上のサカモト氏、演奏を続けます。
そしてまた、途切れない連写のシャッター音。サカモト氏、舞台上から音のする方向に向かって、人差し指を口にあてる仕草。やはり演奏していても気になるのでしょう。それを見たお客さんが、「シーッ、シーッ」の大合唱。一旦は鳴り止んだシャッター音が、3度目に聞こえた時、サカモト氏、再度人差し指を前に出して、左右に振る仕草。客席に再び「シーッ、シーッ」が鳴り響き、今度はその静止する人々の大合唱に、音楽がかき消され、会場に緊張感が走ります。
そんな中、なんとか曲が終わった瞬間のことでした。わき起こる拍手と共に誰かが「邪魔するんじゃねー!出て行けこの糞やろう!」罵声を浴びせるや否や、1階から3階までの人がほぼ全員立ち上がって、カメラマンに向けて罵詈雑言の嵐。舞台上のサカモト氏も、この展開には苦笑い。汚い言葉のオンパレードで、人々の勢いが止まりません。カメラマンらしき人の「俺だって仕事でやってんだ!」という応戦があったのもの、熱くなった人々に取り囲まれ、辺りは騒然としていました。
その時です。舞台からサカモト氏のピアノが鳴り響きました。その瞬間、猛獣の森のような状態だった会場が、一瞬水を打った様に静かになり、やがてわき起こる拍手と、サカモト氏への歓声。これぞ一流のアーティストだ、という姿を見せつけられた瞬間でした。
コンサートは、もちろん、大成功。3度におよぶアンコールの中で、アルモドバル監督のスペイン映画『ハイヒール』の曲を演奏すると(彼の作曲だったんですね!)大きな拍手が。その他にも、2011年の映画『一命』の主題曲を演奏。この曲のレコーディングをする為に東京のスタジオにいた時、3月11日の地震にあったエピソードを紹介。また、日本へ向けられた、スペインの協力に感謝の意を表され、大きな拍手に包まれました。
ハプニングに見舞われつつも、素敵なコンサートを終えられたサカモト氏。明日は南部のカルタヘーナ、明後日はバルセロナと、スペインツアーが続きます。
会場で購入したサカモト氏の本「La Música os hará libres(音楽は自由にする)」を明日から読みはじめてみる事にします。
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