2009年2月28日土曜日

読書日記*2009年2月



Gramatica de la Lengua Española
著者:Emilio Alarcos Llorach
出版社:Real Academia Española, 
1999(初版)2008(第19版)
ISBN: 978-84-239-7916-5

これは、スペイン人を対象に書かれたスペイン語の文法書。462の項目それぞれが、例を交えて説明されている。DELE勉強の為に、一通り最後まで読んでみたが、この本は分からないことがでて来た時に辞書的に使うのが良い。通して読むのには結構時間がかかった。説明が丁寧でしかも比較的易しいスペイン語で書かれているのが嬉しい。





ピータードラッカーの「自己実現論」が分かる本(ポケット図解)
著者:中野明
出版社:秀和システム(2006年
ISBN4-7980-1335-8 C0034

先月読んだ「事業戦略」が分かる本に引き続き、今月は「自己実現」が分かる本。ドラッカーの理論を図解していて、とても分かりやすい1冊。特に時間のマネジメントの仕方について簡潔にまとめられているので、それを即実践に移してみた。ちょっとした細切れ時間に1章を読めるので気軽にドラッカー理論に触れられるいい入門書だ。




この世で一番の奇跡
著者:オグ・マンディーノ(訳:菅靖彦)
出版社:PHP文庫
ISBN 4-569-57916-7

友人にプレゼントしてもらった1冊。包容力のある、心温まるストーリーンの中に、自分を愛するための秘訣や、不幸なスパイラルから抜け出す為の秘密がちりばめられている。自分を卑下したり、失敗を恐れて新たなことにチャレンジできない自分を見直せる、自己啓発の本といえる。自分を愛することの大切さを説いた、私的にはグッドタイミングな1冊だった。




仕事で「話す力」が面白いほどつく本
著者:櫻井弘
出版社:三笠書房
ISBN4-8379-7457-0 C0130

仕事柄、初対面の人と話すことが多いが、どんな切り口から会話をはじめれば良いか等に関する私の持論と一致することが多く書かれていて、再確認できた。相手に話させるための質問事項をいつも持ち歩いていると、とくに共通点のない人と出会った時にも会話が弾む。外国人を相手にする時はその国の文化や習慣の話を引き出せれば会話が進む。黙ってしまって気まずい思いをしない為にはそれなりの準備が必要だ。




絶対音感をつける本
編者:絶対音楽研究会
出版社:双葉社(2000年)
ISBN4-575-71162-4 C0915

私自身は、相対音感はあるが、絶対音感はない。絶対音感は生まれつきのものであると思っていたが、幼少のころのトレーニングで身に付けることもできるらしい。絶対音感を持つことには長所も短所もあるようだ。絶対音感を持つ人たちが綴ったエピソードもたくさん紹介されていて面白い。






僕の音楽武者修行
著者:小澤征爾
出版社:新潮文庫 (1984年初版・2004年31版)
ISBN4-10-122801-9 C0173

日本を代表する指揮者、小澤征爾氏が、若くして日本を離れヨーロッパでの修行からカラヤンやバーンスタインに認められてNYフィルの副指揮者に就任するまでの自伝。当時の時代背景を考えると、抜きん出たアイデアもたくさん持ち合わせていた。外国の音楽をやるならその音楽の生まれた土地やそこに住んでいる人間をじかに知りたい、という彼の発想はそても共感できる。



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2009年2月27日金曜日

カンタオール石塚隆光!


写真:フアンさんと石塚さん@マドリード

フアンさんと私の友人でフラメンコのカンタオール(歌い手)の石塚隆光さんが、一昨日からスペインへ来ています。今回は、ご自身のCD制作のために一部の曲をスペインで収録するのが主な目的の録音旅行。フアンさんも、友人として石塚さんのCDにレコーディングすることになっています。どんな曲を収録するかはCD発売までのお楽しみ。

というわけで、2日間カニサレス邸に泊まり込んでのレコーディングとなるわけですが、腹がへっては戦が出来ぬ!まずは、マドリード市内で落ち合って、私のランキングではマドリードで最高峰のパエージャレストランに。見て下さい、この魚介たっぷりのパエージャ!


写真:マドリードで一番美味しいパエージャ


石塚さんは日本を代表するカンタオール。スペインでも公演を行ったりして注目を集めまています。その石塚さんと私の出会いは、なんと今を遡ること15年前!私が大学で所属していたフラメンコのサークルにカンテを歌いに来てくださっていました。私のフラメンコの大先輩であります。

石塚さんはカンテの他にギターも弾かれるのですが、彼がフラメンコギターをはじめるきっかけとなったのは、なんとカニサレスの演奏だったそうです!これにはカニサレス本人も私もビックリ。石塚さんが16歳の頃に聴いたカニサレスの演奏に衝撃を受け、以来カニサレスを信奉されているとか(笑)。私がカニサレスの音楽に出会うよりもずっとずっと前なんですね〜。

だから彼にとって、ご自身初のソロアルバムにカニサレスと共演というのは感慨深いことなのだそうです。私にとっては、フラメンコの大先輩である石塚さんと、夫であり尊敬するギタリストのカニサレスの共演というのは、それだけで感慨深い大事件です。しかも、レコーディングは我家のスタジオで。すなわち私が録音技師を担当させていただくのであります。

2日間の大奮闘の末出来上がった作品は。。。すごい〜!スゴすぎる〜!石塚さんの巧妙なメリスマと時に哀愁漂い、時に一気に爆発する歌声。。。それを支えながら盛り上げる、カニサレスの超絶リズムと音楽感!ここでご紹介できないのが本当に残念!です。

レコーディングでハイテンションになった二人は、そのまま朝までフラメンコ。カニサレスのギターに石塚さんのカンテ。それを側で聴いている私まで踊り出したくなるような、至福の一時でありました。フラメンコの醍醐味ってこれですね〜。



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2009年2月25日水曜日

米米クラブの浪漫飛行


写真:1987年発売のKOMEGUNY。『浪漫飛行』収録

忘れもしない1990年の春。この年は私が高校に入学した年であり、米米クラブが大ヒット曲『浪漫飛行』のシングル発売した年でした。『浪漫飛行』は私の青春のテーマ曲の一つともなった、今では懐かしい曲なのですが、この曲があれから20年近く経とうとしている今、私の中で大きな音を立てて崩れてしまったのです。

事の発端は、今日の午後のこと。私がほぼ10年ぶりに懐かしい米米クラブのCDをかけていた時のこと。部屋に入って来たフアンさんが、ピタッと動きを止めて曲に聴き入るのです。「あれ、この曲知ってるよ。ん?やっぱり聞いたことないかな?」というので、私の青春時代の曲よと、ちょっと得意げに紹介。しばらく聴き入った後、何も言わずに自分のiPodを取り出し、ヘッドフォンをはめ、何かを探してる。。。何を?まさかフアンさんのiPodには入ってないと思うよ〜。

しばらくしたら「あった!」と言ってヘッドフォンを私に渡すのです。「え〜、あるわけないでしょ?」と言いながらもヘッドフォンをはめた私は、耳を疑いました!聞こえて来たのはまるっきり『浪漫飛行』といえる、でも別の曲なのです。もう亡くなったアメリカのジャズピアニスト、リチャード・ティーのCDの中の1曲『ミス・アンダースタンディング』という曲です。前奏部分のアレンジから、サビの部分まで殆ど同じ!メロディーなのです。

写真:1985年発売のリチャード・ティーの『ボトム・ライン』

偶然の一致だね、と笑って済ませる種類の類似ではないので、大ショック(涙)。リチャード・ティーの方が2年早くリリースしているのです。。。このリチャード・ティーのCDは、日本で制作されたみたいですがYouTubeなどにも音源は見つからず、皆さんにも聞いていただけにのが残念。手元にある音源をアップするのは著作権上の問題があるのでこれも断念。でも、これって。。。あまりのショックに、今夜は寝られそうにありません。



*今日のことわざ*
A la larga no hay mascara que no caiga.
(あ ら らるが の あい ますから け の かいが)
長い目で見ると、剥げることのないお面はない。。。どんなウソも、いつかはバレてしまうという意味のことわざです。私の青春時代の想い出の曲が、20年後にスペインのフラメンコギタリストによってその正体を現してしまうとは。。。


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2009年2月23日月曜日

スペインの禁煙法


写真:エスパシオ・シン・ウモ(煙のない空間)のロゴ

2006年の1月から、スペインにも禁煙法なるものが施行され、公共施設、店、職場、駅、空港、レストランやバルで喫煙が禁止されるようになりました。あれから3年経ち、だんだんスペインの公共の場からモクモクの煙がなくなり、その範囲は拡大されてきました。

この禁煙法によると、100㎡以下のレストランやバルでは、喫煙、または禁煙の別を選べ、100㎡以上の店舗では、喫煙・禁煙の席を物理的にしきりで区切ることが義務づけられています。物理的にレストラン内を区切るには大掛かりな内装工事が必要になりますから、全面禁煙を選ぶ店が必然的に増えてきたわけです。

人口の40%は喫煙者!とも言われたかつてのスペインは、ところ構わず煙草を吸う人があまりに多すぎて、どこへ行っても目がシバシバするくらいの煙でした。特に、空港で荷物を受けとり所では、機内にいる間吸えなかった人たちが一斉に煙草に火をつけるので、天井付近に白い雲がかかる程でした。一応壁には禁煙マークがありましたが、おかまいなし。マークの効力は皆無でした。

そんなスペインですから、いざ禁煙法が施行される事が決まったとき、そんなこといってもどうせスペインのことだから、みんな公共の場で煙草を吸い続けるんだろうな、と密かに思っていました。ところが私の予想は全くの大はずれだったのです。。。2006年の1月、禁煙になったバルで煙草を吸っていた人が逮捕されるというニュースが新聞の一面を飾り、スペイン中に衝撃がはしりました。

そのニュースによると、それまで何十年もこのバルに通い詰めていた愛煙家の常連さんが、禁煙法の施行後もいつもの席で煙草をふかしていたとのこと。店主が、何度も吸うのをやめるように言うも従わず、警察の出動となったそうなのです。

マドリードでフラメンコの愛好家やアーティストたちが集うカサ・パタスも全面禁煙。フラメンコと煙草は切っても切れないものですから、煙草の吸えないフラメンコのタブラオなんてあり得ない!と散々の抗議もありました。でも禁煙(笑)。

それまで、禁煙席と喫煙席の車両の両方があり、食堂車での喫煙も可能だった新幹線AVEも全面禁煙。駅も全面禁煙。もちろん空港も全面禁煙で、マドリードの空港にはボックス型の喫煙所が出現しました(バルセロナの国際空港にはありません)。

さて、そういう私は長年の愛煙家。仕事の合間に一服。食事のあとにまた一服。不思議とこれまで禁煙しようと思ったことも、実行したこともありませんでした。それが、なぜかある日突然、全く吸わなくなったのです!「健康のことを考えて、禁煙したの?」とよく聞かれますが、そういうわけではありません。「禁煙しなくちゃ」とか「禁煙しよう」とかそういう発想が頭をよぎったことは本当になかったのです。

が、気づいてみると結果的にはいいコトばかりです。食事が一層おいしく感じる、眠りは深く、朝の目覚めはいい。疲れやすかった身体は至って元気だし、体中にエネルギーがみなぎっている感じがします。

「どうやって禁煙したの?」と皆に聞かれます。確かに世の中には禁煙をしようとして、ニコチンの錠剤を飲んだり、ガムをかんだり、注射をしたり、シールをはったりと、苦労されている方が多いのですが、私の場合はそんな苦労は全くなく、意識する間もない程簡単なことだったのです。でもよくよく振り返ると、ふたつの秘密があったのです。

それは、まず「自分を愛する」ということ。自己愛はとても大事です。自分の身体を愛すると、自然と煙草の煙やニコチンやタールを身体の中に入れたくなくなります。

そしてもうひとつは「禁煙します!」と宣言しないこと。私の今年の抱負の中には「禁煙する」はありません。私の場合は計画な禁煙ではないから、結果的に吸わなくなりました。禁煙宣言することで、自分にプレッシャーをかけ、吸うことを禁じることでストレスが溜まるのではないかと私は思います。禁煙という言葉自体、「煙草を禁じて」いるわけですから、言葉を聞くだけでストレスです。

私のコンセプトは「吸いたくなったらまた吸うかもしれない。でも今は吸いたく無いから吸わない」というもの。自分に禁止事項を設けてないことがポイントです。あくまで自分を愛することによる自由選択なのです。

人間は、禁止されると逆にどうしてもやりたくなる、という心理が働くそうです。ドラッグも同じで、禁止されるから多くの人が試したいと思ってしまう。でも、オランダのように、大麻が合法化されている国では、実際に大麻を吸う人の数は意外にも少ないそうなのです。禁止されてないからいつでも吸えるし、今吸わなくてもいいや、という心理だとか。

私は煙草をやめたからといって、他人の煙草が気になることはありませんし、他人に煙草をやめるように勧めるつもりも全くありません。が、禁煙を考えていらっしゃる方。禁煙しようなどと思わずに、まずはストレスから解放されましょう!自分を愛することからはじめれば、自然と煙草に対する考え方が変わってくるはずです!


*今日のことわざ*
Más vale tarde que nunca.
(ます ばれ たるで け ぬんか)
遅くてもしないよりはまし。今からでも遅くない!



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2009年2月22日日曜日

スペイン国立オーケストラ


写真:国立オーケストラのプログラム

今日は、スペイン国立オーケストラの公演を聴きに行ってきました。日曜日の朝11時半からの公演のシリーズはフアンさんと私のお気に入りです。今日の演目はベートーベンとマーラー。不況、不況で劇場への足の運びが悪い今日この頃ですが、今日は3階席まで満員御礼!それだけで、始まる前から嬉しい気分です。

まずは、ベートーベンのピアノ協奏曲第5番変ホ長調『皇帝』。3楽章からなる約40分の作品。その名に相応しく、力強く壮大な作品です。ジョセップ・ポンスによる指揮が素晴しい。まずはエネルギッシュな第1楽章。そして穏やかな第2楽章。最後にテンポよい第3楽章と、オーケストラを自由自在に操っていきます。

そして、グスタフ・マーラーの交響曲第5番嬰ハ短調は、マーラーの中でも私の最も好きな作品の一つ。今日の演奏をとても楽しみにしていました。第1部のベートーベンも素晴しい演奏でしたが、マーラーはその上を行く素晴しさです。演奏時間は約70分と長いのですが、そんな長さを感じさせない華やかで聴きごたえのある作品です。有名な第4楽章アダージェットもさすが。ハープと弦楽器が美しい流れを生み出します。

スペイン国立オーケストラは、スペインを代表する素晴しいオーケストラですが、これらの作品を非常にリズミックに、壮大に指揮するジョセップ・ポンスに、心を動かされました。ジョセップ・ポンス氏はフアンさんの友人で、今日は午前中の演奏のあと一緒に昼食を頂きました。偉大な指揮者ですが、とても気さくな方なのです。フラメンコを「リズム的に世界一難しい音楽!」と言い切り、フアンさんと握手(笑)。楽しい1日を過ごしました。


*今日のことわざ*
Al músico viejo, le queda el compás.
(ある むしこ びえほ れ けだ える こんぱす)
音楽家は年老いても、リズムは残る。若い頃から音楽に打ち込んだ音楽家は、いつまでたっても音楽を忘れることがなく、音楽的な立ち居振る舞いをする、という意味のスペインの諺。日本語でいえば「雀百まで踊り忘れず」ですね。




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2009年2月21日土曜日

アントニオ・ガデス舞踊団


写真:パセオフラメンコ3月号

今日、パセオフラメンコが自宅に届きました!今月号には私の取材したインタビューが載るので楽しみにしていました。

来週から、アントニオ・ガデス舞踊団の日本ツアーが始まります。アントニオ・ガデスが亡くなってから新たに作られた、新生アントニオ・ガデス舞踊団。2004年の設立時からその活動を取材してきました。

『カルメン』『血の婚礼』『フラメンコ組曲』に加え、今回は新作『アンダルシアの嵐』が上演されます。ガデスが創り上げた作品を、そっくり同じ形で再上演することは、この舞踊団の使命であり挑戦なのです。

その挑戦に立ち向かう。芸術監督のステラ・アラウソ、ガデスの後を受継ぎ舞踊団を率いるアドリアン・ガリア、プリンシパルダンサーのホアキン・ムレーロとクリスティーナ・カルネーロへのインタビューが、今月号の巻頭カラー特集になっています。

今度のガデス舞踊団の来日も、前回に引き続き現地コーディネートを担当させていただきました。一人でも多くの方に、この素晴しい作品を見ていただきたいと、心から願っています!


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2009年2月19日木曜日

カニサレスの演奏


今日から、子供達を対象にしたギターのイベントが始まります。今朝の新聞にはカニサレが写真入りで登場!

写真:イベント告知の記事

さて、今回のイベントというのは、3歳〜9歳の子供たちを対象にしたギターの祭典です。でも、単なるギター・コンサートではなく、ギターの歴史をストーリー仕立てで子供たちに紹介するという、演劇+コンサートという贅沢な内容。今回はこれをDVDに収録して、世界の子供たちに見てもらおうという企画です。

18日と19日の2日間で、なんと5千5百人ものちびっ子たちが会場に足を運びました。もちろん、劇場を訪れるのはこれが初めて、というちびっ子が殆ど。子供たちは、鑑賞の為に1ユーロを支払います。これは、芸術を鑑賞するには、お金を支払うという観念を小さいうちから学ばせるのが目的だそう。とてもいいアイデアだと思います。

写真:ちびっ子達の入場!みんな、遠足気分です。

先生に手を引かれ、小さなお客さん達が続々と入場します。座席に着くにも時間がかかるため、通常は30分開場のところ、今回は1時間前の開場です。それにしても、今回のイベント、小さな子供達を対象とのことで、開演が朝10時とめっぽう早い!早起きにあまり慣れていないミュージシャン達にとっては、起きたての演奏はなかなか厳しいようです。楽屋でリハーサルに余念がありません。

写真:子供達でうまっていく劇場

テレビ局のカメラもたくさん入っています。開演前の劇場はいつもざわついているものですが、今回はざわついている、というより普通の会話が聞こえない位の大音量(笑)。さすが子供達、ものすごいエネルギーです。会場の明かりが消えると大騒ぎ!役者のお兄さんが登場して、「みんなおはよー」というと、子供達も一斉に「ブエノスディアス!」と大合唱。

写真:カニサレスの演奏に聴き入る子供達

ギターという楽器がどうやって誕生したのか、ギターにはどんな種類があるのかがテンポよく紹介されていきます。ギターの仲間でルネサンス期に全盛期を迎えたビウエラ、バロックギター、クラシックギター、そしてフラメンコギターの登場です。カニサレスの、これまでで一番小さなお客さん達はギターのリズムに合わせて身体を動かし、やがて踊りはじめます。そして演奏が終わると、大きな拍手と共に口々に「オレー」。圧巻です。

DVDはスペイン語の他に、英語とフランス語に訳され、吹き替えされることが既に決まっているそうですが、是非日本語にも訳してほしいと、事務局に依頼されました。約1時間のこの作品を子供達に分かりやすい日本語に訳すのは簡単ではないと思うのですが、どうしようかな。検討中です。


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2009年2月17日火曜日

カナリア諸島への旅


新年に掲げた目標のひとつは「ボランティア活動に積極的に参加する」というもの。この目標達成がひょんな形で訪れました。

カナリア諸島のラス・パルマスにあるアルフレド・クラウス劇場。カニサレスも何度か公演したことのある、素敵な劇場ですが、ここで、子供たちの教育を支援するNGOが主催する、子供たちのためのギターの祭典があるのです。カナリア諸島の音楽プロモーターから企画を聞かされ、すぐにカニサレスに話すとその場でOK。チャリティーですので、カニサレスはもちろん、私もボランティアとしての参加です。

劇場には、明日とあさっての2日間カナリア諸島の子供たちが招待され、世界各国から集まったギタリストたちが演奏します。クラシックギタリストのコスタス(ギリシャ出身)とフラメンコギタリストのカニサレスがメインパーソナリティーを務めます。

というわけで、今日は飛行機でカナリア諸島のラス・パルマスへ移動。氷点下のマドリードから、一気に気温20度の楽園に到着です。夕方からのリハーサルやサウンドチェックに備えて、まずは腹ごしらえ。カナリア諸島には美味しい郷土料理がたくさんあります。


写真:レストラン「ラ・マリネラ」のシンボル

やってきたのは、ラス・パルマスのビーチ近くにあるレストラン「ラ・マリネラ」。新鮮な魚介類がたくさんショーウィンドーに並んでいます。

写真:カナリア名物「パパ・アルガー」

前菜は、なんといっても、パパ・アルガー。カナリア諸島の人は皆、アルガーと発音しますが、これは方言。スペイン語的にはアルガダ(しわくちゃの)という意味で、見ての通り、新じゃがをくしゃくしゃに茹でた料理。じゃがいもも、スペイン語ではパタタですが、ここではパパ。そういえば、中南米でもパパと言います。これは、大航海時代にカナリア諸島の方言が中南米にもたらされたためだそうです。

写真:何にでもあうサルサ「モホ・ピコン」

先ほどのじゃがいもにかけるのが、このモホ・ピコンと呼ばれるサルサです。家庭やレストランによって、それぞれ独自の味を持つようですが、基本的にたくさんのスパイスやニンニク、クミンなどがはいった、エキゾチックな味のソースです。ジャガイモだけでなく、お肉やお魚につけても美味しい。そのままパンにつけて食べてもOK!

写真:カタクチイワシの揚げ物

日本と違ってさすがに生では食べませんが、魚介類がとにかく新鮮。このただ揚げただけのイワシもジュージーでプリプリで、絶品です。お値段も安い!

写真:白身魚「アバエ」日本語訳は不明。。。

スペイン本国では見かけない、白身魚。地元の人たちはアバエと呼んでいますが、辞書にも載っておらず、日本語訳は不明。スペイン本国でも見かけない魚ですが、ここカナリア諸島ではよく食べられる魚だとか。味的には、エボダイに似ていますが、もっと肉が厚く食べごたえがあります。西洋パセリとニンニクの味付けが魚の美味しさを一層引き出しています。

カナリア諸島のアルバムをアップしました。
カナリア諸島への旅


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2009年2月16日月曜日

久々の通学!



今日から半年間、なんと数年ぶりに通学!です。毎週月曜日、朝9時から1日8時間授業の本格的なコース。コースのタイトルは「Curso Internacional de Gestión de Artes Escénicas」簡単に言うと、舞台芸術のマネージメントを学ぶコースです。「インターナショナル」と銘打っているだけあって、先生もスペイン人からアメリカ人、イギリス人、フランス人と多種多様。今回のコースでは、特にフランス、イギリス、アメリカでのショービジネスに重点を置くというので、参加したいとかねがね思っていたのですが。。。

一応試験のようなものがあり、面接と経歴等を見る書類審査。これはなんなくパスできました。で、定員100名の受講生のうち、5名だけ奨学金がもらえるというのでこちらにもチャレンジ。2名は約半額に、3名は約20%引きの価格で受講できる。って、これはバーゲンか?問題は、審査基準が超曖昧なこと。いったいどうやって選考しているのか、まったく公開されていない。これはひどいなぁ。しかも、「奨学生に選ばれた人のみに連絡がいきます」という方式だから、連絡がないというのはまだ選考が終わっていないのか、それとも落ちたのかが分からず気をもんでいたわけです。

それでようやく先週になって連絡があり、20%オフの受講料で受講できます、というのです。でも、狙っていた半額がゲットできなかったことで、なんだか士気も下がってしまったのも事実。う〜ん、どうしよう。と本気で悩んでいました。でも、最後の最後で決断して、受講することにしました。

写真:受講証。でも名字がオグラじゃなくオルガになってる。。。

週に1日とはいえ半年間も続くのですから、時間的な犠牲はかなり大きなものです。それに見合うだけの成果をあげるために、何でも吸収してやろう!とかなりの意気込みで今日の発授業に行ってきました。

受講生は私以外は全員スペイン人。当たり前か。授業の内容は初日ということもあって、イントロダクションからはじまり、全コースの大まかな内容と資料の配布があって、そのあとはいきなり授業です。授業は生徒が質問をしながら進んでいく欧米方式。一般的な説明の内容は、これまでの経験からもう既に知っていることの方が多かったので、その点はちょっとがっかりですが、質問が自由にできるのが嬉しいところです。これなら自分にあった成果が臨めそうで来週の授業も今から楽しみです。

朝早いのがちょっと難点。このラッシュの時間はいつもの2倍の時間(!)がかかるため、朝7時に自宅出発。フアンさんの朝ごはんとお昼ごはんを準備する為には6時前に起床。朝に弱い私には、しばらくの間辛い月曜になりそうですが、私の通学を快く許可してくれたフアンさんに感謝!できるだけたくさん学習したいと思います。

そうは言っても、なんだか学生時時代に戻ったみたいで楽しいのも事実。来週はお弁当も作っちゃおうかな。




2009年2月15日日曜日

イベリコ豚のハンバーグ


今日のメニューは「野菜たっぷり・イベリコ豚のハンバーグ!」です。作り方は普通のハンバーグと同じですが、今回は友人から聞いた裏技(!)を使います。ハンバーグは肉を少なめにしても、野菜をたっぷり入れるとボリューム満点です。

材料(2−3人分)
イベリコ豚のひき肉:200g
キャベツ:200g
玉ねぎ:1個
長ねぎ:1本
パン粉:200g
卵:1個
塩・こしょう・ナツメグ
お酢:少々(←これが裏技!

写真:みじん切りのキャベツ。野菜たっぷりが我家の定番

キャベツはみじん切りに。ビニール袋にいれて柔らかくなるまで塩揉みします。玉ねぎもみじん切りにし、オリーブオイルをひいたフライパンで飴色になるまで炒め、あら熱をとっておきます。

その間にパン粉作り。スペインのパンは2−3日経つと固くなるので、これを利用します。おろし金でおろしてパン粉の出来上がり!

写真:おろし金でおろしたパン粉

全ての材料(ひき肉、キャベツみじん切り、炒めた玉ねぎ、パン粉、卵)をボールに入れます。塩・こしょう・ナツメグで味付けをし、最後に少々お酢を加えて良く練ります。お酢を入れるのを(日本の)テレビでみたという友人から聞いた裏技。お酢をいれる(=酸性にする)ことで、お肉のタンパク質の中にある酵素が、タンパク質をアミノ酸(←うまみ成分ですね)に変えてくれるというトリック。今回初めてチャレンジです。

具を丸めて、キャッチボールしながら平べったく小判型にして完成。あとは焼き込みます。


写真:イベリコ豚ハンバーグあとは焼くだけ!

デミグラス・ソースの作り方は知らないのですが、自己流の簡単なソースの作り方。

材料
ハンバーグの煮汁(焼いた後そのままのフライパンを使います)
トマトケチャップ:スプーン3杯
赤ワイン:1/2カップ(料理用にはドンシモンが最適)
塩・こしょう:少々
砕いた固形スープのもと:1/2個
醤油:少々


そして、完成!できあがりのアツアツをテーブルに並べたらあまりに美味しそうですぐに二人で完食!気づいたら出来上がりの写真をとるのを忘れていました(涙)。お酢の効果が果たしてあったのか、実は良く分からなかったんですが(笑)、ほくほく、ジューシーなハンバーグが出来上がりました。フアンさんの採点は。。。?エクセレンテ(上出来!)だそうです。


*今日のことわざ*
Del plato a la boca, se enfría la sopa.
(でる ぷらと あ ら ぼか せ えんふりあ ら そぱ)
お皿から口までの間にスープは冷える。日本語のことわざにしたら、「鉄は熱いうちに打て」でしょうか。話は早く進めていかなければいけない、ということわざ。今日の出来上がり写真の撮り忘れは、ハンバーグが冷めないようにということで。。。


2009年2月14日土曜日

サン・バレンティン


昨日は、日本の実家から荷物が届きました!日本から届く荷物は、愛情と一緒に、いつも嬉しい驚きがいっぱい詰まっています。今回もすごい!ずっしりと重たい箱を開けると、きちんと整頓されてパッキングされた小物がたくさん。まずは、愛妹の手作りの帽子。昨年プレゼントしてくれたマフラーとお揃いの毛糸で編んでくれました。そして、カレーのルー、お味噌汁のもと、ソース、お茶漬けのもと、お茶、フアンさんの大好きなチョコボール(笑)。それから、妹のセレクトによる、お菓子作り&餃子の皮作りのためのキット。本当にありがとうございました!

写真:愛妹の手作りふわふわ帽子とマフラー

そして、今日はバレンタイン!スペインではサン・バレンティン(聖バレンティン)といいます。一般的には、Dia de los enamorados(恋に落ちた者たちの日)と呼ばれています。日本のように、チョコレートを贈る習慣はスペインにはありませんが、恋人同士がプレゼントを贈りあう習慣は根付いています。バラの花束を贈るのが結構一般的なようです。赤のバラは愛情を、白のバラは平和を、黄色のバラは友情を表すとか。

私たちの今年のサン・バレンティンの贈り物はバラの花ではなく、お互いに「本」でした。昔から本の虫のフアンさんは、何が欲しい?という質問に迷わず「本!」。そして最近スペイン語の勉強と読書に励む私にも、素敵な本を送ってくれました。

聖バレンティンの日は、この名称からなんとなくカトリックの公式な祝日?と思ってしまいますが、実は、そうではないのです。聖バレンティンが実在した聖人かどうかが明らかでないため、1960年代のバチカンの公会議でカトリックの公式な典礼から外されてしまい、この日に教会などで特別なミサは催されることはありません。もちろん、無関係ということはないのですが。

サン・バレンティンの起源はローマ時代に遡ります。2月14日はもともと女神JUNO(ユノ)の祝日。彼女は家庭と結婚の神で、6月を司ります。英語の June やスペイン語の Junio(6月)もここから来ていて、6月の花嫁が縁起がよいという言い伝えもここから来ています。

この日が世界的に「恋人たちの日」として祝われるようになったのには、いくつか説があるようです。ローマ時代、2月14日の「ユノの祝日」の翌日、2月15日はラス・ルーペルカレス(ルペカリオ祭)というお祭りが始まる日で、この日に踊りを踊るパートナーとなった男女は恋に落ち、結婚したという言い伝えがあることから、「恋人たちの日」となったというのがひとつの説。

そして、もうひとつの説は、ローマ皇帝クラウディオII(クラウディウス2世)の治世の頃の話。兵士たちが、愛する妻を故郷に残すことで戦地での士気が下がらぬよう、皇帝は兵士たちの結婚を禁止していました。それを不憫に思った当時の司教バレンティンが、皇帝に内緒で兵士たちを結婚させたのですが、それがばれて処刑されてしまったのです。この処刑の日が2月14日。そのためこの日がやがて「恋人たちの日」となったとか。

どちらにしても「恋人たちの日」だけでなく、一年中、フアンさんと仲良くラブラブでありたい私でした。


2009年2月12日木曜日

サラ・バラスの『カルメン』


今日は、朝から慌ただしい一日でした。昼過ぎからマドリードでのセミナーへ参加し、一旦家に帰ってから、夜はサラ・バラスの公演。マドリード市内から自宅まで往復100キロの道のりですから、今日だけで200キロ以上の運転ということになります。郊外に住むとこういうところがちょっと不便です。


さて、マドリードに本部のある、SGAE(スペイン作曲家協会)は、定期的に色んなテーマでセミナーを開いていて、今日は久々に興味のあるテーマだったのでセミナーに参加しました。アメリカのボストンにあるバークリー音楽大学の教授を招いての、音楽産業に関する講義。みっちり3時間の講義でしたが、こうした催し物に無料で参加できるのは嬉しいところです。


写真:サラ・バラス『カルメン』のプログラム

そして、夜はサラ・バラスの『カルメン』の初演に招待されて行ってきました。

写真:マドリードのロペ・デ・ベガ劇場前

サラの初演の日はいつもそうですが、テレビカメラもたくさん入って、とにかくものすごい人です。スペインの芸能人たちもたくさん招待されていて、サラの人脈の広さが伺えます。

写真:ロペ・デ・ベガ劇場入り口は大混雑!

『カルメン』というと、アントニオ・ガデスの『カルメン』の印象が強烈ですから、同じ名前でフラメンコの作品を創るのは、勇気のいることかもしれません。が、彼女の良さをうまくまとめあげた立派な作品でした。

アントニオ・ガデスの『カルメン』とは違い、ストーリーを楽しむ戯曲というよりも、フラメンコを全面に押出した舞台作りが印象的でした。衣装、靴、アクセサリー、マントン、小物や椅子にいたるまで全てが黒、赤、白の3色のみで統一されていて、この色の組み合わせを巧みに使って、情熱や嫉妬、怒りや悲しみを表現しているところも素晴しいと思いました。

選曲にもオリジナリティーが溢れています。ソレアやファルーカ、タンゴやルンバだけでなく、オリジナルの振付けのセビージャーナスを華麗に踊っていたシーンも印象的でした。サラ・バラスの一番の見せ場であるサパテアードも絶好調で盛り上がった舞台でした。



2009年2月7日土曜日

マドリードは大雪・お家でお料理!


最近のマドリードは、よく雪が降ります。しかも大雪です。私の家は、マドリード市内から西に45キロほど行った山岳部(標高680メートル)にあるため、市内よりも気温は低く、体感温度はさらに下がります。

先週の日曜日も大雪でマドリード中の交通が麻痺して大騒ぎになったばかりなのに、また昨晩から大雪なのです。こんなに立て続けに雪が降ることは珍しく、この11年のマドリード生活でも初めてのこと。朝起きてみると一面の銀世界。本当は今日「楽しく二人で出かけよう」企画第2弾を予定していたのですが、残念ながら断念です。

雪で動けないし、寒い日には美味しいものを食べるのが一番!というわけで、今日は新しいメニューに挑戦です。メニュー名は "Arroz con Langostino al Curry"「カレー味の大エビ入りチャーハン」。この初挑戦のメニューは、バルセロナにある超美味しい美味しい中華料理店で発見した逸品。以来このレストランに行ったら、フアンさんも私も必ず注文する劇ウマのメニュー。ゴロっとはいったエビが何とも豪華なチャーハンで、以前から挑戦したいと思っていました。うん、いい機会だ。雪に感謝。

まずは、その超美味しい中華料理店のご紹介から。
バルセロナにお立ち寄りの際は是非!

Av. Diagonal 460 Barcelona
Tel: 93-217-4780

さて、初挑戦のこのメニュー、レストランからレシピをもらったわけではないので、自作です(笑)。似たような仕上がりになるといいのですが。。。

材料
玉ねぎ:1個
人参:3本
とうもろこし:適宜(缶詰の小1缶使いました)
大エビ:8尾(←この量は豪華めです)

調味料全て適量
日本酒
カレーパウダー
ターメリックパウダー
ガランマサラ
ウェイパー
塩・こしょう

大エビは背ワタとハラワタをとり、たくさん切り込みをいれたあと、日本酒に浸しておきます。その間に、普通にチャーハンを作る要領で、みじん切りにした野菜を炒めます。次に野菜とは別のフライパンで大エビを炒め、最後に浸しておいた日本酒をフライパンにジュっとかけ、アルコール分を飛ばします。

野菜を炒めたフライパンにごはんを入れてかき混ぜ、そこに先ほどの大エビも混ぜていきます。次に、カレーパウダー、ターメリックパウダー、ガランマサラ、ウェイパー、塩・こしょうを適宜いれて、味を整えていきます。中華と印度のまざった味付けですが、これは真理子流ということで。。。見た目は美味しそうな出来上がりです。

写真:完成!カレー味の大エビ入りチャーハン


さて、せっかっくなので、お菓子作りもしちゃお〜!ということで、初めてのお菓子作りに挑戦。フアンさんの大好きな生クリームのミルフィーユに挑戦!

写真:焼きたてホヤホヤのパイ生地たち

といっても、なんせ初めてのお菓子作り。パイ生地は市販のものを利用です。四角く切ってフォークでたくさん穴をあけて、オーブン200ºC で約15分。サックサクのパイが焼き上がりました。あとは、お手製ホイップクリームを泡立てて、パイとホイップをサンドしていきます。粉砂糖を上から振りかけて出来上がり。

写真:完成!初めてのミルフィーユ・真理子流

さて、さて、フアンさんの感想は?
『カレー味大エビ入りチャーハン』は、MING DINASTYに迫る美味しさ!とお褒めの言葉。自分で食べてみても、かなり美味しく出来たので満足です。ガランマサラの隠し味が◎。フアンさんは、大好きな生クリームたっぷりの『ミルフィーユ・真理子流』にもご満悦。こんなに喜んでもらえると、作りがいがあります。お出かけは出来なかったけれど、楽しい一日でした。


*今日のことわざ*
Año de nieves, año de bienes.
(あにょ で にえべす あにょ で びえねす)
雪の年は幸の年。スペインでは、雪がたくさん降る年は、農作物の収穫が良いと昔からいわれているそうです。今年は雪が降り過ぎなくらいなので、おいしい野菜がたくさん出来るでしょうか?


2009年2月5日木曜日

スペインでも美味しい白米!



写真:我家の標準米、ラ・ファジェーラ

スペインには、パエージャに代表されるような美味しい米料理もあります。米の値段も安い。我家で愛用してる「ラ・ファジェーラ」のお米は、1袋1kg入りで1.2ユーロ(約150円)で手に入ります。確かに、パエージャは美味しく出来ますが、白米となると日本人の私の舌はけっこうグルメで、魚沼産のコシヒカリが恋しくなるのです。

色んなメーカーのお米を試してみましたが、結果はいつも同じ。日本から高級炊飯器を持ち込んでいるのに、仕上がりはお米の粒がちょっとつぶれた、例えてみるなら、古々米を炊いたような触感なのです。

ところが、先日「ウソだと思って試してみて!」と、スペインに住む日本人の友人から、ある秘訣を伝授されました。といっても、半信半疑でなかなか踏み切れず、初めて挑戦したのが先週のこと。「うそ〜!」と目から鱗の新発見だったのです。

その秘訣とは、ごはんを炊く時にちょっぴり蜂蜜を加える、という簡単なもの。ごはんに蜂蜜?というところに、ちょっと違和感があったのですが、これが、意外や意外。蜂蜜の甘さは感じず、べたつき感もなく、お米のうまさが引き出され、しかも米粒が立ってる!1kg150円のお米が魚沼産に変わった瞬間でした。

ちなみに、その後インターネットで色々調べた結果、蜂蜜にはでんぷんを分解して糖分に変える酵素があって、この酵素がごはんのおいしさを引き出してくれるそうです。うん、勉強になった。ただ、この方法で炊いたごはんを長時間保温状態にしておくと、お釜と接している部分が茶色っぽく変色してしまうので注意!



さてさて、おいしい白米が炊けるとなれば、おいしいおかずを作らなきゃ!です。フアンさんと私の大好物は、ブログにも何度か登場した餃子。しかし、家族に日本から持って来てもらった餃子の皮は既に前回使い切ってしまっています。が、思い出しました!前回の私の餃子のブログにコメントをくれた、スペイン人のご主人とアンダルシアに住んでいる大学時代の友人のアイデア。「私は餃子をつくるときエンパナディージャ用の皮をつかっているよ。La Cocineramというやつ」



写真:エンパナディージャ

エンパナディージャというのは、野菜やひき肉などの具を詰めてオーブンで焼いたスペイン料理。主菜ではなく、オードブルのような感じで出されることが多い料理です。地方によって、また家庭によってありとあらゆるものを詰めて焼き上げます。さめても美味しい。改めて見ると、これって餃子に形がそっくりです!



写真:エンパナディージャの皮(友人推薦のLa Cocineraです)

そして、友人おすすめのエンパナディージャの皮を入手。16枚入りで85セント(約100円)。見た目も大きさも、完璧です。でも、本家の餃子の皮と比べると、柔らかくて気をつけないとすぐに破れてしまうのが難点。ゆっくり、丁寧に、そして焼く前の状態になったのがこちら↓



写真:エンパナディージャの餃子!後は焼くだけ

さて、これをフライパンで焼いていきますが、これがまた結構難しい。というか、ちょっと本家餃子の皮と勝手が違う。皮が柔らかいので、隣同士くっついていると、後から剥がすのは困難。というか、不可能。油の量が多いと、生地がお菓子のようにサクサクになってしまい、餃子っぽくならない(涙)。なかなか調子がつかめないままに、失敗を繰り返し、なんとか完成!



写真:ついに完成!エンパナディージャの餃子

見た目は、餃子そっくりに出来上がりました。気になるお味の方は。。。?美味しい!なかなかの出来ばえです。グルメなフアンさんの感想は、「う〜ん、ま、比べなければ美味しいかな?やっぱり、手作り餃子の皮に挑戦か?!


*今日のことわざ*
A falta de pan, buenas son tortas.
(あ ふぁるた で ぱん ぶえなす そん とるたす)
Tortasは、固い小麦粉のパンのこと。ふっくらとしたおいしいパンが手に入らないような厳しい状況では、あるもので我慢し、美味しいと思え、という戒め。

とはいえ、今回のエンパナディージャの餃子は「我慢する」なんて言葉とはかけ離れた、美味しい出来でした。私的には満点なんですが(笑)。