2009年1月31日土曜日

アビラ日帰り旅行




写真:アビラ市壁(世界遺産)


前々から、フアンさんと計画していた、「楽しく二人で出かけよう!」企画。年が明けてから、行こう行こうと思いつつなかなか実現しませんでしたが、ようやく決行。最初の目的地となったのは家からも近く、見所もたくさんあるアビラ。アビラ旧市街をぐるっと取り巻く市壁とアビラの教会群は
1985年に世界遺産に登録されています。


さて、腹ごしらえはアビラのパラドールのレストランで。土曜のお昼とあって、レストランは大にぎわいです。


写真:カスティージャ地方名物「ソパ・デ・アホ」


まずは、スープから。カスティージャ地方の名物「ソパ・デ・アホ」にんにくスープです。たっぷりのニンニクの他、パン、たまご、ハモンなど具沢山でこれだけでけっこう満腹感があります。身体があったまる冬に嬉しいスープです。



写真:アビラ牛


アビラといえば、アビラ牛。Chuleton de Avila(チュレトン・デ・アビラ)は、アビラ牛のあばら肉を豪快に焼いた一品。量が多すぎて食べきれません。

写真:アビラ名物「ジェマ・デ・サンタ・テレサ」

そして、デザートはアビラ名物「ジェマ・デ・テレサ」。ジェマとはスペイン語で卵の黄身のこと。まわりはサクサクとお砂糖の衣がついていて、中はしっとりとした甘い黄身。なんだか和菓子にもにていて、お茶が欲しくなります。サンタ・テレサ(聖テレサ)はここ、アビラ出身の16世紀に活躍した修道女です。


写真:アビラ市壁(世界遺産)でフアンさんと


腹ごしらえのあとは、アビラ市の散策。アビラ旧市街をぐるっと一周している市壁は全長約2.5 kmで、ところどころ、その市壁の上部に登って壁の上を歩けるようになっています。入場料4ユーロ。上から見下ろす街並は素晴しいし、なにより楽しいお散歩は日頃の運動不足を解消してくれます。


写真:アビラのカテドラル(世界遺産)

もう日も暮れてからようやくたどり着いたカテドラル。朝早く開門し、夕方もさっさと閉まってしまうので、私たちが着いた時にはもう中の見学は出来ませんでしたが、外からだけでも充分見応えのあるゴシック建築です。


写真:アビラのテレサ(Santa Teresa de Avila)


そして、先ほどのデザートにもなっている聖テレサ。彼女はスペインでは全国的に有名な修道女で聖者です。16世紀、厳格なカトリックの家庭に生まれた彼女は幼い頃から信仰深く禁欲的な生活を送り、いくつもの苦行を行ったことで知られています。スペイン各地をまわり、いくつかの本も著し、たくさんの修道院も設立したそうです。


写真:聖テレサのサン・フアン教会(世界遺産)

彼女が、聖者としての人生を始めたとされるのが、アビラのサン・フアン教会。ここで洗礼を受けたそうです。装飾品の少ない、どちらかというと質素な教会ですが、今日もたくさんの信者が訪れます。私たちが訪れた時はちょうど土曜のミサが始まる時間で、次々に地元の信者が集まって来ていました。


写真:聖テレサが洗礼をうけたとされる石の桶

これはサン・フアン教会の入り口に飾られている、聖テレサが洗礼を受けたとされる石の桶です。1915年、聖テレサ誕生400周年の記念にアビラ市が重要文化財として記念碑を建てました。

自宅からわずか50キロ。車で約1時間のアビラは、歴史に溢れた素敵な街でした。「楽しく二人で出かけよう!」企画・第1弾、アビラへの日帰り旅行はフアンさんと私の久々の休暇となりました。約10キロの散歩コースを歩き、私はちょっと筋肉痛。毎日ランニングマシーンで鍛えているフアンさんはヘッチャラで、運動不足を笑われました。悔しい!


今回のアビラ旅行の写真をたくさんアップしています。マリアルバムもどうぞ↓

*今日のことわざ*
Hermano, bebe, que la vida es breve.
(えるまの べべ け ら びだ えす ぶれべ)
「兄弟よ、飲め、人生は短いものだ」短い人生、出来るうちに楽しまなきゃ損!一生懸命働くことも大事ですが、それと同じくらい、一生懸命遊ぶことも大事だと思います。


2009年1月30日金曜日

読書日記*2009年1月


今年は、新年の目標にも掲げている通り、読書を心がけようと思っています。そこで自分の読書の記録の為に、毎月読んだ本を簡単な感想を添えて書き留めておくことにしました。今回はその第1回目。月末になったので、張り切ってみると。。。今月完読した本はたったの(!)5冊。もっと、自分ではたくさん本を読んでいるつもりでいたのに。。。冊数を増やせば良いということではありませんが、昔はたくさん読んでいたのになあ、と、どうしても学生時代の自分と比べてしまいます。


La Ultima Lección
著者:Randy Pausch
出版社:Grijalbo, 2008

YouTubeでみた彼の「最後の授業」に感動し、フアンさんにスペイン語の本をプレゼントしたのは去年のこと。私も読んでみました。アメリカの大学で一般的な、人生最後の講義と想定して、教授らが工夫をこらしたスピーチをする「ラストレクチャー」。彼の場合は、文字通り「ラストレクチャー」でした。余命半年を宣告された彼から発せられる言葉には説得力があります。メキシコのスペイン語訳のため違和感があったのが残念。



Las Reglas del Trabajo
著者:Richard Templar
出版社:Pearson Prentice Hall, 2006
ISBN-10:84-205-4613-5

英語からスペイン語に訳されたビジネス書で、同時に自己啓発的な内容の1冊。ドラッカーに比べると内容的には物足りなかったのが残念ですが、スペイン語の勉強を兼ねてと思い3日間で集中して読みました。上司に媚びるような仕事の仕方を勧めているところは、同感できませんでしたが、なるほど、と思わせるフレーズもいくつかでて来て勉強になりました。



スペイン語で伝える日本
著者:伊藤通子
出版社:三修社(2005年)
ISBN4-384-05324-x C2087

日本にはスペイン語の通訳ガイドという国家資格があることを知りました。彼らの仕事は、スペイン語で日本の文化を伝えること。通訳ガイドの目からみた日本の習慣や文化は、私がスペインで感じる日本と似ていて共感が持てました。観光地の詳しい説明文がすべてスペイン語で書かれているのも魅力です。




いつも忙しい人、なぜか余裕のある人
著者:箱田忠明
出版社:PHP研究所(2007年)
ISBN 978-4-569-65932-9

私はいつも時間に追われ、ばたばたとしているのが自分の反省点。余裕のある人間になりたいといつも思っているので興味があって読んでみました。内容的にはちょっと期待はずれ感もありましたが、スペインにいると日本語で読める物は少ないので良しとします。最終的には自分で時間のマネジメントをするのが最善の方法と再認識しました。




ピーター・ドラッカーの事業戦略が分かる本(ポケット図解)
著者:中野明
出版社:秀和システム(2006年)
ISBN 4-7980-1308-0 C0034

この本は、ドラッカーの著書をもとに、彼の事業戦略を図解しているとても優れた1冊。50以上の項目に細かくにまとめられているので、それぞれの事柄について自分の場合はどうなのか、実際に置き換えて考えやすいのが利点。読み物というよりは、これにそって勉強&自分の考えをまとめるための参考書のように利用しました。姉妹編がいくつかあるので、そちらにも興味があります。



2009年1月29日木曜日

スペインのワイン


昔からアルコールには弱く、ワインもビールも苦手だったのでお酒については殆ど興味がありませんでした。が、このところスペインワインがマイブームなのです。

スペインでは、食事の時にワインを飲むのは健康上にも良いとされています。お医者さんも薦めています。赤ワインには、日本でも有名なポリフェノール(スペイン語ではポリフェノル)が豊富に含まれているから、という科学的な裏付けもあるのでしょうが、実際にスペイン人でポリフェノルという成分名を知っている人はあまりいません。

なぜあまりワインが好きじゃなかったかというと、特に赤ワインのあの渋みが苦手だったのです。さらに言うと、自宅にお客さんが来てワインを開けるとき、コルクを抜くのは私の役割なのですがこれが全くうまくいかない。毎回皆の前でちょっと恥ずかしい思いをするのでプチ・トラウマになりかかっていたのです。

しかしこの2つの問題が、このところ一気に解決してしまったため、にわかに赤ワインが私の中でブームになりつつあるわけなのです。まず、ものすごく美味しい赤ワインに出会ったこと。リベラ・デル・ドゥエロの、Bodegas Fuentespina Reserva Especial 2003. スペインの赤ワインといえばリオハという図式だった私に目から鱗の、超芳醇まろやかワイン。

写真:リベラ・デル・ドゥエロのワイン

そもそもスペインは、フランス、イタリアに続いて世界第3位のワインの産地!ワインは、産地ごとに特色があります。原産地呼称制度Denominación de Origen)という制度によってその品質を保証され、原産地名をブランドとして保護された60を超えるワインの産地があります。

その中で最も位が高いのがリオハのワイン。だから、いつのまにか自分の中に「ワイン=リオハ」という観念が出来てしまっていたんですね。その他に有名なのは、今回私がはまっているリベラ・デル・ドゥエロ、ヘレスのシェリー酒やカタルーニャ地方の名産のカバなどがあります。カバは、シャンパンと同じ製法の発砲ワインですが、この原産地呼称制度のため、シャンパンと呼べるのはフランスのシャンパーニュ地方でつくられる発泡酒のみ。同じお酒も産地が変わると名前が変わるのです。


もうひとつは、これ↓

写真:完璧なオープナーの箱。やたらでかい。

その名も、サカコルチョ・ペルフェクト(完璧なオープナー)。絶対失敗しません。どうやって使うかと言うと↓

写真:完璧なオープナーの使い方

機械(?)は2つのパーツにわかれていて、まずワインのシーリングを取り除く為のカッター(左)。ワインの頭の部分で、くるくるっと一回転させます。コルク部分が見えたら、もう一つの機械(右)でワインの口を挟み込み、グリップ部分を上下に一往復させると、あら不思議。スポンっとコルクが抜けるのです。所要時間1秒。この完璧なオープナー、お値段も70ユーロ(約8400円)程とちょっと高めですが、その価値アリ!ワインを飲むより、コルク開けの方が楽しくなっちゃいそうなスゴイ一品です。


*今日のことわざ*
El vino, comido mejor que bebido.
(える びの こみーど めほーる け べびーど)
ワインは、飲むより食べる方がよい。少量のワインは健康に良いけれど、がぶ飲みするのは健康に悪い、ということを言ったスペインのことわざです。スペインにはワインが登場する諺がたくさんあります。それだけワインが生活に密着しているということですね。

ところでこの諺、昔から気になっていたんですが、日本でよく聞く「牛乳をかんで飲みなさい」とちょっと似ていますね。


2009年1月26日月曜日

スペイン語で日本紹介!



新年に掲げた今年の目標の中で、DELE(スペイン語検定)を受験することを公言してからというもの、スペイン語の勉強をするべく色々な参考書や問題集を開いてみるものですが、一向に勉強のリズムがつかめません。昔勉強したことを、おさらいするだけっていうのも能がないし、なにより退屈で長続きしません。スペインに住んでいるわけですから、日常のスペイン語はしゃべれるので、いったい何を勉強したらいいのか分からない?という切実な問題に直面しているのです。いまさらスペイン語教室に通うのもなあ。。。始めたばかりのイタリア語は楽しく勉強出来るし、ワークブックも進むのに、スペイン語は何故こんなに勉強がつまらないんだろう?そんな気持ちで、悶々としているうちに、1月ももう最終週になってしまいました。時の経つのの早いこと!


フアンさんには、スペイン語での読書をたくさんするように!とアドバイスを受けているので、それは少しずつ実践しているんだけど、どうもそれだけでは「試験にむけて勉強している」という充実感も無い。。。そこで、考えました!よし、毎日スペイン語で日記を書こう!


でも、日記はこのブログに日本語で書いているし、せっかく日本の読者も増えて来たのにここで方向転換をしてもなあ。。。そして思いついたのがこのアイデア。よ〜し、スペイン語で日本を紹介するブログを作っちゃえ!そんなわけで、この週末を利用して新しいブログを立ち上げてみました。




実際書きはじめてみると、どんなことをネタにしようか、どんな風に説明しようか、結構頭を悩ませます。思ったよりも難しい!私が日本の歴史や文化について、初めて興味を持ったのは、恥ずかしながらスペインへ来てからのことでした。日本にいた頃は学生時代も、旅行は欧米へ。文学は西洋文学。歴史は世界史。かなり欧米かぶれでした。縁あってスペインで暮らすようになって、スペイン人との会話の中で初めて気づきました。私って、日本のこと殆ど知らないんだなあ。。。それから10年。自分なりに日本について学んで来たつもりでしたが、いざ、それを文章にして日本を紹介しようと思うと、とても難しい。でも頭を悩ませるのがまた楽しくもあります。


もう一つの難しさは、スペイン語を使って説明するということ!スペイン語で書くことが手段であると同時に目的でもあるから、難しいのは当たり前なんですが(笑)本当に難しいのです(汗)。分かっているつもりになっていても、実際書いてみると、冠詞の使い方や表現の仕方など、文法力も語彙力もかなり足りないことを実感。。。どういう時に冠詞が必要で、どういう時に必要でないのか、未だにあやふやなことがたくさんあるのに気づきます。例えば


Me gusta el flamenco.(フラメンコが好きです)
Yo bailo flamenco.(フラメンコを踊ります)


最初の文は、スペイン語的には主語が「私」ではなく「フラメンコ」なので、冠詞が着くということは昔習ったような。でも、フラメンコを踊る、の場合は冠詞が着かない。。。このブログ、結構いい勉強になるかもしれません。これなら飽きずに続けられそうです!まずは5月の受験まで、すこしずつ続けていこうと思います。


*今日のことわざ*
A camino largo, paso corto.
(あ かみーの らるご ぱそ こると)
長い道は短い歩幅で。ゆっくりと行けば、遠くまで確実に届くと言う意味です。「ウサギとかめ」の、かめのようにゆっくりだけど着実に。語学の勉強も同じですね。


2009年1月23日金曜日

スペイン人からみた日本語




私たち夫婦の間での公用語はスペイン語ですが、最近は時々日本語も使えるようになってきました。フアンさんはミュージシャンなので耳が非常によく、私の日本語の発音を上手に真似てくれます。

本人も、日本へはしょっちゅう行くし、日本語や日本の文化について興味を持ってくれているので、いろいろ説明してあげるとどんどん覚えてくれる。それがとても楽しいのですが、私にとっては考えてもみなかったようなことを質問されて、こっちが戸惑ったりすることもよくあります。


フアンさんの指摘によると、まず日本語は音的表現が多い。感情や状態といった、そもそも言語でないものを音のようなもので表現している、というのです。そういわれてみれば確かにそうなんですよね。

例えば『キラキラ』や『ピカピカ』をスペイン語に訳すのってなかなか難しいのです。「光っている」としか言いようがないし、このふたつの言葉の違いを説明するのは、至難の業です。宝石や星が光る時はキラキラ。奇麗に磨かれた床はピカピカ?こんな説明ではおぼつきませんよね。。。

雨の降る様子も、『パラパラ』『しとしと』『ザーザー』『ザンザン』と様々ですが、『パラパラ』と『しとしと』の違いの説明も難しい。どちらも少しの雨が降っている様子だけど、日本人なら皆、感覚的に違う情景が思い浮かびますよね。また、池に石を投げたとき『ポチャン』『ボチャン』『ボトン』の違いで、投げた石の大きさが想像出来る。これをどう、スペイン語で説明したらいいでしょう?そもそも、私たちはどうやって日本語を覚えて来たのでしょう?

でも、不思議に意味がすんなり通じることもあります。『よいしょ』という言葉をフアンさんに教えてあげたのはもう数年前。私が時々使うのを聞いて、どういう意味かと聞いて来たのが始まりでした。重たいものを持ち上げたりする時に使うかけ声みたいなものよ、と説明したら、納得して、自分でも思いものを持ち上げる時に使いはじめました。ギターを手に取る時にも「よいしょ」というので、「それは、重くないでしょ?重くないものに『よいしょ』って言ったらまるでギター弾きたくないみたいだよ」と言うと「まさに今、ギター弾きたくないんだ。ということは、これは『よいしょ』の正しい使い方なんだね!」これには私もビックリ。言葉の本質に迫っているではありませんか!もうひとつ『よいしょ』で私が驚いたのは、フアンさんが、両手にたくさんの本を抱えて階段を上がっていった時のこと。一段ずつ「よいしょ、よいしょ」と言いながら小走りにかけていくのです。ちゃんと応用出来てる!
この用法も◎です。

よく考えると、日常生活の中にたくさん擬態語は潜んでいます。気づかずに使っていることもあるはずです。『ドキドキ』する、『ハラハラ』する、頭が『ずきずき』痛む、胃が『しくしく』痛む、胃が『きりきり』痛む、『にこにこ』笑う、『ぐずぐず』する、『よぼよぼ』になる、『よれよれ』の服、『ぴんぴん』している。こういった表現は日本語特有なのかな?と思います。どうなんでしょう?きわめつけは、『しーん』と静まり返る。という表現。静か過ぎる程静かな状態よ、と説明したら大笑いして「じゃあなんで音があるんだよ!」。それもそうなんだけど。。。


動物の鳴き声のような擬音語は各言語に存在しますが、日本人の私の耳には、犬はワンワン、ニワトリはコケコッコーとしか聞こえません。ちなみに、スペイン語で動物たちはこのように鳴きます(笑)。

犬:guau(ぐぁう)
猫:miau(みゃう)
ニワトリ:kikiriki(きっきりきー)
羊:bee(べー)
牛:muu(むー)
あひる:cuack cuack(くわぁく・くあっく)
豚:huik huik(うぃっく・うぃっく)

ちなみにネズミの『チュー』は、あまり一般的ではないようで、人によって鳴きまねが違います(笑)。


もうひとつの指摘は、数の数え方が難しい!ということ。これは確かに言えてます。鉛筆は1本2本、紙は1枚2枚、車は1台2台、靴は1足2足、コップは1杯2杯。日本語って豊かですね。「本」や「枚」をつけることで、ものの形状がすぐ思い浮かぶと言う利点があるのよ、というと、『じゃあ、ストローやギターの弦は鉛筆と同じく「本」?』そのとおり!魚は1匹2匹、でもクジラは1頭2頭。「そっか、大きさによって違うんだね。」そのとおり!でも、これってほ乳類だからだっけ?私の説明もかなりあやふやです。


また別な指摘は、子供の歌が非常にリズミックという点。「クラリネットをこわしちゃった」のパッキャマラドの部分や「ウンパッパ」、手遊びの「アルプス一万尺」「線路は続くよどこまでも」などにじっと耳を傾けます。「おちゃらかほい」「お寺の和尚さんがカボチャの種を蒔きました。。。」や「ずいずいずっころばし」「ゆびきりげんまん」は、もう一緒に遊べます。「せっせっせのよいよいよい」ってどういう意味?という質問の答えはまだ見つかっていませんが。。。


*今日のことわざ*
Experiencia es madre de la ciencia.
(えくすぺりえんしあ えす まどれ で ら しえんしあ)
経験は学問の母。たくさんの経験から学問が成り立つ、という意味ですね。でも、いくら経験しても鶏が「きっきりきー」と鳴く日は来ないような気がします。。。


2009年1月22日木曜日

追悼:ラモン・デ・アルヘシラス


写真:結婚式でのラモンとフィロ(2004年)

一昨日の早朝6時、携帯が鳴った。深夜や早朝の電話があるといつもいやな予感がするが、今回は、その嫌な予感が的中してしまった。私たち夫婦の親友、ラモン・デ・アルヘシラスさんが亡くなった、との連絡だった。

ラモン・デ・アルヘシラス、本名ラモン・サンチェス・ゴメス。パコ・デ・ルシアの兄でありギタリストの彼は、長年パコのツアーにも同行していた。私が彼と知り合ったのも、1998年のパコ・デ・ルシアの日本ツアーの時。以来、家族ぐるみの付き合いをさせてもらっていた。ラモンは、自称「フアンとマリコの愛のキューピット」。未熟な私たち夫婦の悩みを色々聞いてくれ、いつも親身になってアドバイスしてくれ、奥さんのフィロと共に、私たちの結婚の保証人になってもくれた。

彼が末期の肺がんに冒されていることが分かったのは、昨年5月のことだった。自分の病名が癌であることを知っても、彼は気丈な態度を貫いた。「マリコ、人生はね、早いうちに楽しんでおかなきゃだめだよ」それが、ここ半年の彼の口癖だった。

連絡を受けてすぐにフアンさんがパコに電話をした。きっと落ち込んでいるに違いない。電話にでたパコは、憔悴しきっていた。前の晩に緊急入院したラモンと面会したばかりだったと言う。すぐ迎えにいくから、と電話を切った。

マドリードのパコの家に着くと、パコはひとりソファーに座っていた。私たちを見ると、おもむろに立ち上がり、無言のまま私たちときつい包容を交わした。こんなパコを見るのは初めてだった。無表情。悲しさや寂しさの極限で、人は無表情になってしまうのかもしれない。ラモンが肺がんと知り、余命があと半年と聞かされ、覚悟はしていたはずなのに、誰もが口をきけない程のショックに苛まれていた。

やがて、意を決してマドリード郊外のタナトリオ(斎場)に向かった。スペインでは、誰かが亡くなると、まずご遺体をタナトリオに移す。タナトリオに行くということは、ラモンのご遺体と対面することを意味する。通常タナトリオの建物は大きく、一度に数名から数十名のご遺体を収容できるようになっている。それぞれのご遺体(ご家族)ごとに独立したサロンがあり、そのサロンの中にあるガラス張りの部屋のなかに、ご遺体は棺桶に入れられて安置され、通夜への訪問者は、ガラス越しに、ご遺体と最後のお別れをする。

ラモンのご遺体が安置されているサロンに着いて、ガラス越しにラモンと対面した時、我が目を疑った。享年71才とは思えない、年老いてやつれたラモンの姿がそこにあった。癌という病気は、恐ろしい。私の知っているラモンの姿は、そこにはなかった。涙があふれた。これまでに一緒に過ごした思い出が走馬灯のように蘇った。

初めて出会った日本で、秋葉原を案内しようか?と言ったら、電化製品より手動の鉛筆削が欲しいと言ったラモン。会う度に新しいチステ(小話)で私を笑わせようとしたラモン。フアンさんとケンカして泣いている私を励ましてくれたラモン。私の天ぷらを世界一だと褒めてくれたラモン。はやく私たちの子供が見たいと楽しみにしていてくれたラモン。そんなラモンがもういないのだということが、どうしても信じがたかった。

フィロはガラスの前で、泣き崩れていた。私たちをみると、また一層声をあげて、泣いた。いつも彼のそばで、彼を支えて来た。ラモンの闘病生活を一緒に走り抜けて来た彼女もまた、一層やせて、小さく見えた。「マリコ、ああ、マリコ、私はこれからいったいどうしたらいいの?」泣き叫びながら問いかける彼女に、私は答える術がなかった。

その夜は、一晩中フィロや家族たちと一緒にタナトリオで過ごした。そして夜が明け、本当の別れがやってきた。スペインでは土葬が一般的だが、本人の生前からの希望で彼のご遺体は火葬されることになっている。ガラス張りの部屋からご遺体が別の小部屋に移され、火葬炉へ送られる前に親しい人たちのみで、最後の、本当に最後のお別れをする。フアンさんと私もラモンに最後の包容をし、やさしく頭をなでた。さようならラモン。安らかに。


2009年1月17日土曜日

スペイン医療事情



3日前から、ひどいインフルエンザにかかって寝込んでいます。特にのどをやられているので、声が出せない&食事が辛いのダブルパンチ。それでも、どうしても用事があってマドリードのセントロ(中心街)に繰り出しました。

人ごみのグランビアを歩いていると、今日は何故かいつもと違う感覚が。。。『歩きやすい!』人々が、私のために道をあけてくれて、モーゼの「出エジプト記」状態。人ごみの歩道を歩くときは命がけのマドリードにおいて、これはおかしい。よくよく観察してみると、左右に道をあけてくれる人たちは皆私の顔をじろじろ見ています。そんなに具合悪そうなのかな、と思いつつ、エルコルテで買い物をして店を出ようとしたとき、「オイガ(すみません)!」というガードマンのデカイ声。防犯用ブザーが鳴ったわけでもないのに、買い物袋を見せて下さいというので、まあ、おだやかに、黙って指示に従った私。その間、店のウィンドーに映る自分の姿をみて『あっ!』。今日一日の不可解ななぞが一気に解けたのでありました。原因は『マスク』です!

そういえば、初めてスペイン人と東京で地下鉄に乗った時、大笑いしながらなんでみんなマスクをしているんだ?と聞かれたのを思い出しました。日本では、こんなには一般的なマスク。スペインではこの上なくアヤシイ人になるのです。うわぁ〜。これ、分かってたのに今日はうっかりしてました!かなり怪しかったんだろうな。でも、道は歩きやすいので、マスクは外さず帰路に着きました。

*****

ところで、スペインの医療制度は日本とはずいぶん違います。病気になったら、まずは指定された地域の診療所で診察をうけます。このお医者さんがいわゆる自分のヘッドドクターで、簡単な治療や診察はしてもらえます(ヘッドドクターを自分で選ぶことは出来ません)。でも、手術が必要だったり、さらに詳しい精密検査などが必要な場合は、ヘッドドクターがボランテ(紹介状)を書いてくれ、この時点で初めて大病院(または専門病院)へ行くことが出来ます。

これは、スペインの社会保障保険加入者全てに適応されるサービスで、ヘッドドクターの診察も、大病院での診察も診察料は完全無料で、処方される薬も場合によって3割〜0割負担とかなりの割引が適応されます。

もちろん、緊急の場合は救急車で大病院の救急センターに運んでもらうことも出来ます。これも無料です。さらに、不法滞在の外国人もこの制度を利用できるとのこと。無料の医療制度としてはかなり進んだシステムであることは間違いありません。

一見素晴しい制度に思えるこのシステムですが、実は大きな問題もはらんでいます。というのも、待ち時間が異常に長い!ヘッドドクターで紹介状を書いてもらってから、大病院での予約を入れるのですが、待ち時間が6ヶ月から1年という、途方もない状態。お年寄りが6ヶ月先の診察を待っている間に亡くなってしまった、という不幸な話も耳にします(←テレビのニュースではなく、知り合いの話としてです)。

それは嫌だ!という場合には有料の私立の医療機関を利用することも出来ます。その為には、私立の医療保険に加入することが必須となります。私も加入していますが、これも素晴しい制度だと私は思います。ちなみに、私はもちろん社会保障保険にも加入していますが、これは予防接種などを除いては全く利用していません。

加入料は夫婦で月額120ユーロ(1万4千円)程度。診察料は1回3ユーロ(約360円)。レントゲン、その他の検査も1回3ユーロ(約360円)。入院は1回につき4ユーロ(約480円)←これは、一日につき4ユーロではなく、1回につきというところがポイントです。私も昔、2週間ほど入院したことがありますが、請求額は4ユーロでした。昼と夜の食事はアラカルト(看護婦さんが毎朝メニューを持って来てくれて、その中から選べる)、すべて個室1人部屋で、付添人のためのベッド完備シャワーとトイレも完備テレビ無料。ちょっとしたホテルより広い部屋です。各部屋には電話も取り付けられているので、外線から直接電話を受けることも出来ます。さらに、出産のための費用は、出産と前後の入院をあわせて12ユーロ(1400円)。奇麗な病棟で、素晴しいサービスをわずかな金額で受けられるのはスゴイと思います。


*今日のことわざ*
A las diez, en la mcama estés.
(あ らす でぃえす えん ら かま えすてす)
夜10時にはベッドにいなさい。早寝早起きは健康のもと、というスペインのことわざ。いったいこれを実践しているスペイン人は何人いるんだろう(笑)。はやく風邪を治すため、今日もはやく寝ようと思います。



2009年1月13日火曜日

バルセロナ


写真:バルセロナ市庁舎内部

一昨日からバルセロナ訪問中。昨日に引き続き今日もバルセロナの街を縦横に駆け巡りました。今日最初のミーティングで訪れたのは、バルセロナ市庁舎。内部に入る為には厳しいセキュリティーチェックと身分証明書の提示が求められます。


写真:コロンブス像

その後あちこち周りながらたどり着いたのは、ランブラス通りの突き当たりにあるコロンブス像。ちなみに、コロンブスはスペイン語でコロンといいます。このコロンさん、向かうべき西(アメリカの方向)じゃなく、東を指差している。建設の時に間違えちゃったのかな?細かいことは気にしないのかな?スペインですから。。。


写真:サグラダ・ファミリア


休憩はサグラダファミリアを臨むスターバックスで。サグラダ・ファミリアの近くまで来たのは久しぶりです。工事がかなり進んでいて吃驚しました。1882年に着工したこの教会、完成は2026年とか。建設に時間がかかってちっとも完成しないのは、スペイン人の仕事が遅いからだとずっと思ってきましたが(笑)実はもっと別な問題がありました。実はこの建設費用は公費ではなく、入場料と寄付によってまかなわれているため、収入源の確保が難しいそうなのです。しかも、建設と同時に修復もしなければいけない。長い年月が経っているので、最初の頃作った部分はもう修理が必要なんですね。お金もかかります。。。

ガウディー本人は塔を1本しかみることが出来なかったそうですが、今はもうずいぶん立っています。全部で8本?最終的には18本の塔が立ち並ぶそうです。日本人彫刻家の外尾悦郎さんが主任彫刻家であることは有名ですね。彼が完成させた「生誕の門」が高く評価され、ついに2005年、ユネスコの世界遺産に登録されました。長いこと登録されていそうでいなかったのは、サグラダ・ファミリアが建設中の寺院だからだそう。でも、登録されて良かった!

ところで、このサグラダ・ファミリアちよっと前に大問題が発生しました。先日「スペインのAVE事情」で紹介したAVEの路線拡大工事でバルセロナから北に向かう路線が、なんとサグラダ・ファミリアの真下を通過するらしいのです。協会側の計画中止要求も空しく、真下にトンネルが掘られ、サグラダ・ファミリア崩壊の危機?!という困難な状況に陥っていたのでありました。しかし、そこで話が終わらないのがスペインのスゴイところ。実はこの教会の建設自体がバルセロナ市の許可を得ていなかったことが判明!なんと120年にわたって無許可建築が黙認?されて来ていたという恐るべき事実なのです。

本当はゆっくり中も見学したかったのですが、今日は時間がないのでまたの機会に。


写真:カラコレス(かたつむり)料理


マドリードに帰る前にどうしても食べておきたかったのが、カタルーニャ名物カラコレス(かたつむり)料理。レリダの友人たちにカラコレスを食べさせてもらったのが3年前。それ以来、バルセロナに来たら、カラコレスを食べないと調子がでません。というわけで、今日の遅めの昼食はカラコレス料理!ニンニクたっぷりのアリオリソースとの相性が抜群です。


*今日のことわざ*
A cada pajarillo agrada su nidillo.
(あ かだ ぱはりーじょ あぐらだ す にでぃーじょ)
それぞれの小鳥は自分の巣が好き。我家に勝る地はなし。
旅から帰ると、やっぱりうちが一番と思うものですね。


2009年1月11日日曜日

スペインAVE 事情



写真:バルセロナ行きのAVEに乗車

今日から3日間バルセロナへ出張です。マドリード〜バルセロナ間には昨年AVEが開通し、とても便利になりました。直行便だと約2時間40分でマドリード・バルセロナ間を移動できます。飛行機の場合は1時間で着きますが、市内からは離れた空港まで行き、しかも1時間半前にはチェックイン。到着しても荷物が出てくるのに時間がかかり、さらに郊外にある空港から市内まで移動。一方、AVEはギリギリ5分前までに着けば乗車できるし、荷物は預ける必要無し。しかも駅は市内の中心地にあるため、なにかと便利です。

スペインの新幹線「AVE」は、Alta Velosidad Españolaの頭文字をとったもの。同時にAVE(アベ)は大きな鳥を意味するため、翼を広げた鳥がロゴとして使われています。


1992年にセビージャで開かれた万博を機に、まずマドリード〜セビージャ間が開通。現在ではマドリードを起点に、バルセロナ、セビージャ、マラガ、トレド、バジャドリードが繋がっています。工事が進行中の路線はマドリード〜バレンシア間。バレンシアに行くことも多いので、これが開通するとかなり便利になるので期待していますが、いつ出来上がるかが不明。明確に宣言しないところがスペインっぽいところです。宣言しても平気で破るところもまたスペインらしいのですが(←バルセロナ路線の開通も相当遅れました)。

地図:スペインのAVE路線(直線が開通、点線は工事中)

私がマドリードに住んでいて便利だな、と思うことの一つは、地理的にマドリードがイベリア半島の中心に位置するため、スペイン国内移動がとてもスムーズな点です。スペイン政府は2010年までに、首都マドリードとスペインの全ての州都をAVEによって4時間以内で結ぶ計画を打ち出した、といつか新聞で読みました。実現すればスゴイですが、2010年が来年に迫っている現状では、まあ、完成は多分相当先送りになることでしょう。

AVEのサービスはなかなかのもの!飛行機のサービスを連想させます。多分競争しているんだろうな。まず、ビデオの上映があります。これは全クラス共通。配られるイヤホンは持ち帰ってOK。プレフェレンテ(1等)とクルブ(特等)は食事のサービスがあります。パンやコーヒーのおかわりを持ってくる姿はスチュワーデスそのもの。また、機内誌のような無料のAVEの雑誌「パイサヘ(風景)」があり、機内販売のようにワゴンでお土産を販売に来ます(ただし免税ではありません)。あ、あと最近のサービスで、インターネットで予約インターネット割引(最大60%割引!)Eチケット発券というのも魅力的。チケットを購入するとメールアドレスにチケットが送られて来て、それをプリントアウトすれば乗車準備完了。以前のように旅行会社に行ったり、駅の窓口で長い行列を作る必要もなくなりました。このあたりも飛行機のサービスをかなり意識してるな〜という感じです。

その他にAVEのいいところは、到着が5分以上遅れたら全額払い戻し!という制度。昨年マドリード〜バルセロナ間で乗車した時、到着が10分遅れたので、到着後ウキウキと払い戻しのカウンターに行ったら、「マドリード〜バルセロナ間は、5分ではなく20分以上の遅れがあった時払い戻しされます」といわれがっくり。そうか、まだ新しい路線だし慎重になっているんだな。でも、もともと到着時刻の設定は大幅にゆとりを持たせてあるのか、殆どの場合5分以上前に到着します。ちょっと、セコいと言うかなんと言うか。


*今日のことわざ*
Las cosas de palacio van despacio.
(らす こさす で ぱらしお ばん ですぱしお)
直訳すると、「宮殿の仕事はゆっくり進む。」転じて重要なこと、難しいことにはそれなりの時間が必要ということ。ローマは一日にしてならず。AVE路線も一日にしてならず。辛抱強く待ちましょう。


2009年1月9日金曜日

トルティージャ・デ・パタタ



スペイン料理で唯一胸を張って作れるのがスペイン風オムレツ、トルティージャ・デ・パタタ。ジャガイモたっぷりで食べごたえのある卵料理です。家庭料理のため、各家庭によって多少レシピは違いますが、わたしのトルティージャは義母ペピータ直伝。

材料
ジャガイモ(大):4個
卵:4個
塩:少々
固形スープのもと:1個(お好みで)

じゃがいもは皮を剥いて、厚さ2mm程度のいちょう切りに。

写真:いちょう切りのじゃがいも

水気をよく切ってから、フライドポテトの要領でじゃがいもを揚げていきます。ポイントは、カラッと揚げすぎないこと。まだちょっとしっとりしている位のところで引き上げます。

写真:じゃがいも揚げてます

卵4個はたっぷり空気を含ませながらかき混ぜます。この空気の含ませ具合が、ふわっとしたトルティージャをつくる鍵になります。溶き卵に塩を少々と、すりつぶした固形スープのもとをまぜて卵の準備完了。固形スープをいれるのは私の発案ですが、味にコクがでるのでおすすめ。

次に、揚げたじゃがいもを、溶き卵のボールに混ぜ合わせます。この時、じゃがいもがアツアツのままだと、卵が固まってしまうので注意!最初の頃はここでよく失敗しました。

写真:ひっくりかえすまであと1分

フライパンにオリーブオイルを引き、あったまたところでボールの中身を一気に流し込みます。フライパンに卵がくっつかないように注意!あとでひっくり返せなくなります。これも経験済み。フライ返しでちょくちょく焼き面をなでてあげます。

ひっくり返すタイミングは卵の部分が半熟ぐらいになった時!フライパンの口よりひとまわり大きいお皿をフライパンにかぶせ、思い切って一気にひっくり返します。ひっくり返す時に躊躇すると、中身が流れ出てしかたなくジャガイモいりスクランブルエッグを食べるはめになります(何度も食べました。。。)

ひっくり返したら弱火にして、ふたをして全体に火が通るまで待ちます。竹串で刺してみて、すっと抜けたら出来上がり。

写真:完成!トルティージャ・デ・パタタ

カメラを準備している間に、ちょっとしぼんでしわが出来てしまいました(涙)。料理写真は難しいなあ。私のトルティージャを食べたフアンさんは、熱くてほくほくしながら「エスタ・ムイ・ブエナ!(超うまい!)」(←訳はやや誇張してあります)

というわけで、今夜はトルティージャ・デ・パタタでした(たっぷりしているので、メインディッシュでいけます)。


2009年1月6日火曜日

レジェス・マゴス


レジェス・マゴスが我家に届けてくれたものは。。。Nintendo Wii Fitでした ! 今日の日を楽しみにしていました〜。今日からWii Fit でシェイプアップです(笑)。

プレゼントに喜んでいるのもつかの間。今日はレジェスですから、ごちそうを作る日!義理父母もやって来ます。というわけで、今日のメニューは、春巻き!餃子と同じで皮の入手が困難ですが、まだ先日の両親&妹訪西のときの手みやげを凍らせてあるので大丈夫。昨日のうちに冷蔵庫に移して解凍。

写真:春巻きの具はイベリコ豚の青椒肉絲

写真:完成!イベリコ豚の春巻き

イベリコ豚をふんだんに使った、青椒肉絲風春巻き、チャーハンと野菜たっぷりスープが今日のメニューです。

そして、昼食の後は今日のメイン・イベント、ロスコン・デ・レジェス登場!。ロスコンはドーナッツ型をしたお菓子で、生地はパン。中には生クリーム(カスタードのこともある)がサンドされ、表面には砂糖漬けのカラフルなフルーツがトッピングされています。

写真:ロスコン・デ・レジェス

ロスコンは、普通家族など大人数で切り分けて食べるのが一般的。実はこのロスコンには仕掛けがあって、空豆と小さなお人形がどこかに隠されているのです。自分のところに小さなお人形があたった人は、その年1年が幸福であるとされ、空豆があたった人は、ロスコン代金を支払う、という習わしです。数年前に、空豆があたった叔父が代金を支払いたく無くて(笑)ロスコンと一緒に空豆を食べてしまい、ちょっとした「事件」となりました。

さて、今日のロスコン。空豆が当たったのはなんと義父!というわけで、お約束なので、ロスコン払ってくれました(笑)。そして、お人形が当たったのはフアンさん!この1年がいい年になりますように!


*今日のことわざ*
Principio bueno, la mitad hecho.(ぷりんしぴお ぶえの ら みた えちょ)
初めがよければ、半分はできあがっている。一年の計は元旦にあり、ならぬ、一年の計はレジェスにあり、ですね。

2009年1月5日月曜日

レジェス前夜祭

写真:巨大なベレンが登場した市役所前広場

1月5日の夜は、スペインの良い子たちにとっては、クリスマスイブと同じくらい大事なイベント。一年間いいこにしていたら、レジェス・マゴス(東方の三博士)が枕元にプレゼントをおいていってくれるのです。

大晦日に巨大なキャンプファイヤーが出現した、我が街の市役所前広場には、巨大なベレンが出現!ベレンとは、キリスト誕生の物語りを箱庭で表現したクリスマスの飾りのこと。通常は12月の中旬頃から飾り付けが始まり、1月6日までの風物詩となります。

ただし、キリスト様は24日の夜に生まれたことになっているので、赤ちゃんのキリスト様のミニチュアは、24日の晩になって初めて登場。その誕生を知って東方からお祝いに駆けつける3人の王様(レジェス・マゴス)は、はじめは、ベレンの遠くの方にぽつりと飾られており、毎日すこしずつ場所を移動。1月6日にようやく箱庭のテリトリーに登場する、という訳です。かなりきめの細かい演出。


写真:とにかくスゴイ人だかり!

広場には、とにかくたくさんの子供連れが集まっていて、お正月の初詣状態。それもそのはず。町内のお子様の名前がひとりずつよばれて、王様たちからからプレゼントをもらえるのです。自分の名前の呼ばれるのを待つ子供たちの目といったら!真剣そのものです。ちなみに市役所前広場のベレンには羊や牛(←本物!)まで登場する豪華さ。子供たちが羊とふれあう姿は微笑ましい。


写真:チョコラテ・カリエンテを振る舞う箱庭の女性たち

もうひとつのお楽しみは、広場に来た人たち全員に振る舞われる、チョコラテ・カリエンテ(ホットチョコレート)とロスコン!ロスコンは本当は6日に食べるのですが、この町では毎年、5日の夜に振る舞われます。我家のロスコンは明日に備えて、冷蔵庫の中で眠っています。さて、今夜レジェスは我家にもプレゼントを届けてくれるでしょうか。。。


*今日のことわざ*
Cada oveja con su pareja.(かだ おべは こん す ぱれは)
どの羊にもお似合いの羊がいる。「牛は牛連れ、馬は馬連れ」似た者夫婦という意味です。夫婦仲良く、楽しいレジェスを迎えたいものです。


2009年1月4日日曜日

変なスペイン質問帳


新年の抱負の中に「スペイン語検定DELEを受験する」と公言してしまったので、今日は久々にスペイン語を勉強してみようと思い立ちました。スペイン語は毎日の生活で使っている言葉ですが、その勉強となるとブランク10年。これは長い。それでも学生時代から片時も離さず愛用している辞書たちは、それなりに年季の入ったいい味を出してきています。

地下の本棚に並べてある(そして10年間一度も手に取らなかった)スペイン語学習の本たちを1冊ずつ取り出してみると、あるわあるわ。今ではほこりをかぶったかわいそうな本たち。でもそれより何より面白のは、自分でこしらえた様々なノートたち。スペインへ来た当時、理解不能や意味不明だったことを何でも綴った「変なスペイン質問帳」には今みると可笑しな質問がたくさん書き連ねてあります。


1998年8月20日:スペイン人はなぜ洗濯のとき、色物を白物を目の色変えて選別するのだろう?一緒に洗っても同じなのに。しかも、柄物を白物と一緒に洗濯するときは、必ず言い訳をする。これは全体的にみると白だし、柄もちいさいでしょ?


1998年10月1日:スペインの家庭ではなぜ初めての訪問者に自分の家を寝室からトイレまで全部みせてまわるのだろう?」ああ、この日のこと覚えてます。初めて訪れた知り合いのうちで、挨拶のあと地下から2階までひとつひとつ部屋を見せるツアーが始まってびっくり。でも、これはスペインでは超一般的な習慣なので、私の家にお客さんが来た時もやはり上から下まで全部案内しなくちゃいけない。でも日本人の私には寝室やトイレや物置まで、そう親しくもない人に見せるのは気が引けてしまいます。。。未だに慣れない習慣のひとつです。


1998年10月30日:すごい!テレビのCMでまたブレリアが流れてる!」スペインへ来たてのころは、これがとても新鮮でした。


1998年12月3日:なぜスペインの主婦たちはまな板を使わないんだろう?義理の母が特別なのだと思っていたが、そうではないようだ。人参をまな板無しで切るのは私には出来ぬスゴワザ


1999年4月5日:なぜスペイン人の若い娘たちは皆スタイル抜群なのに、おばちゃんたちはみんな太っているのだろう」どう考えても食生活です!!私もおばさんの部類になりつつあるので、注意。


1999年5月18日:なぜスペイン人は会話をするとき全員が一斉に話し始めるのだろう?聖徳太子の耳を養うべきだろうか。。。」うん、これは今でも同じ。でもその後分かったのは、多くの場合ただ人の話を聞いていないという事実(笑)。それでも会話は進んでいくから不思議ですね〜。未だ持って私には無理なんですが。


1999年6月9日:スペイン人は、日本人はみんな空手ができるとおもっているのだろうか?誰も彼もが聞いてくる。ちなみにカラテカとはなに?」カラテカは空手家のことだ!「テ」にアクセントをつけて発音するので当時は分からなかった模様。スペイン人全員がフラメンコを知ってる訳じゃあないのと同じです。


1999年7月20日:スペイン人はなぜ挨拶代わりにメグスタスシ(寿司が好き)を連呼するのだろうか。別に聞いてないの」ふふふ、あのころ猫もしゃくしもみんな寿司が好きだって言うんで結構うんざりしてたね。なんてコメントしていいのやら毎回悩んでいました。。。


今では、フツーになってしまったことが、当時の驚きと共に蘇り、なんだか懐かしく、右も左も分からなかった自分が愛おしく感じられたりして。もう一つ引っ張り出して来たのは昔から書きためている「スペインのことわざ帳」。そういえば、スペインの習慣を取得しようと色んな人にことわざを聞いて回った時期もありました。懐かしい。これを機に、もう一度復習してみるのもいいかもしれません。気の赴くままに、ときおりスペイン語のことわざを紹介していきます。


*今日のことわざ*
A gran subida, gran bajada.(あ ぐらん すびーだ ぐらん ばはーだ)
急な登りの後には、急な下りが来る。すごい坂を一気に登ると落ちた時には大けがをするという意味ですね。スペイン語の勉強も、少しずつ地道にコツコツと。そんな思いをこめた、今日の一句です。


2009年1月2日金曜日

2009年・私の抱負



今年は、自分に磨きをかけるため、そして考えていることを実現させるため、あえて今年の抱負を公言してみようと思います。仕事面でも、実現させたいことやチャレジしたいこと、たくさんありますが、あえて仕事以外の、普段スルーしてしまいがちなプライベートな部分に焦点をあててみます。

人を愛し、人から愛される人間になりたいのは総合的なモットーですが、ここでは具体的なことを。言ってしまってやらざるを得ない状況に、少し自分を追い込んでみたいと思います。


今年こそは、実現させたいことベスト10

1:夜更かしをしない(スペインにいながらこれはかなり難しい)
2:そして、早起きする(スペインの朝は暗い。。。)
3:新しい国、最低3カ国を訪れる(まずは近場のヨーロッパ制覇)
4:スペイン語検定DELEを受験する(毎年こわくて受験できない)
5:始めるといいつつ始めていないイタリア語を始める(。。。)
6:違う分野の人々と交流する(どうしてもフラメンコに偏りがち)
7:『ドラッカー365の金言』を実践する(まずは日本語版を入手する)
8:スペイン語の書物を月1冊は読む(毎年思うのになかなか続かない)
9:ボランティア活動に積極的に参加する(年末のぶどう詰めだけでなく)
10:月に1度は新しい料理レシピに挑戦する(スペイン料理も覚えたい)


2009年1月1日木曜日

スペインのお正月!

写真:お節料理がわりに今日は天ぷら

明けましておめでとうございます。

はじけたカウントダウンから一夜あけました。マドリードは曇っていて初日の出は拝めず。残念。元日はなんとなくそわそわしてしまいますが、元日や元旦はスペインではなぜかあまり重要ではないのです。クリスマスや大晦日、そして6日のレジェスへと続く、一連のイベントの中で、
陰に隠れた存在です。。。

そこで、スペインで新年を迎えるとき、どうしても物足りないのものベスト5

1:紅白歌合戦(実家から送られてくるDVDを待ちます)
2:除夜の鐘(あのしみじみとした雰囲気。。。)
3:お節料理(お刺身のハマチと伊達巻き、栗きんとんに目がない)
4:初詣(この日だけは人ごみが楽しい)
5:新年の絵馬(2人で訪れた神社仏閣の絵馬収集が趣味)

さらに、スペインの冬にあったらいいものベスト5

1:鍋料理(キムチ鍋、水炊き、すき焼き←これって鍋料理?)
2:こたつ(ごろんとうたた寝、大好き)
3:みかん(こたつで食べるみかんほど美味しいものはない)
4:干し柿(スペインでは一般的な干しイチジクでがまん)
5:日本方式のお風呂(追い炊きのできる日本のお風呂は最高の発明品)


話がそれましたが、そんなわけでスペインのお正月には、新年の挨拶まわりも、お節料理のような特別な料理も、初詣も、何もないので、日本に思いを馳せながら、今日のメニューは天ぷら。フアンさんの大好物でもあります。ダイニングキッチンなので、天ぷらを揚げながら食べていく本格派天ぷらが実現!今日のワインは、リオハ1999年もののグラン・レセルバ。ちょっと贅沢な気分を味わえたお正月となりました。

カウントダウン

写真:ぶどうのグラスを手にフアンさんと

いよいよカウントダウンです!12の鐘の音と共に1粒ずつぶどうを食べていきます。簡単そうにみえますが、これが結構大変。鐘の音は想像以上に早く、皮と種のついたぶどうを口に頬ばるために、溢れかえった広場は一瞬シーンと静まりかえります。。。そして12回目の鐘が鳴り終わった瞬間
 ¡¡¡FELIZ AÑO NUEVO!!!

写真:市役所前広場のキャンプファイヤー

キャンプファイアーとシャンパンのおかげで、氷点下まで冷え込んだ広場も熱く盛り上がります。
明けまして、おめでとうございます。
今年もいい年になりますように!