2011年11月3日木曜日

トルコでもフラメンコは大人気!カニサレス・イスタンブール公演


約2年半ぶりのイスタンブール公演。前回と同じ、ジェマル・レシット・レイ・ホールでの公演です。約1500席のチケットは数週間前から完売。嬉しい限りです。

ジェマル・レシット・レイというのは、トルコを代表する20世紀の作曲家で、ホールに彼の名前が付けられています。



 
写真:イスタンブールの劇場

夜のコンサートに合わせて、午前中は会場の各部署との打ち合わせ、バックラインや機材の最終チェックをおこないます。これは、コンサート当日の私の大事な仕事です。

お昼過ぎから、カニサレスのサウンド・エンジニア、カルロが加わって、音響に関する打ち合わせ。それから、ステージでラインチェック等が行われます。

それが終わる頃、まずパーカッショニストが会場入り。彼は、多数のパーカッションのセッティングがあるので、いつもその他のミュージシャンより先に会場入りします。
私は朝から会場に詰めているので、彼らのホテル〜会場までの足を手配するのも私の仕事。道路事情や、会場までの距離を考えて、遅すぎず、早すぎずというグッドタイミングを計算するのは、なかなか難しいのですが、今回はバッチリでした。


 写真:トルコ国営放送のインタビュー

そして、コンサート開始の4時間前、カニサレスとミュージシャン達が会場入りします。ミュージシャン達はサウンドチェックを始め、カニサレスは会場内で取材を受けます。

毎回コンサートにあわせて、多くの取材の申し込みがあります。通常、雑誌等の取材は1〜2ヶ月前に電話やメールで、新聞のインタビューは1週間前〜前日頃までに、やはり電話やメールで、そしてテレビは多くの場合、コンサート当日に取材が入ります。


写真:ローカル放送の取材

国営放送の場合は多くの国で、英語やスペイン語でのインタビュー となりますが、ロー各局は現地語でのインタビューとなる場合が多く、このTV局の場合もトルコ語でのインタビュー。この場合、トルコ語→英語の通訳を事前に雇い、英語→スペイン語を私が通訳しながらインタビューが進みます。


写真:TV局 のインタビュー

続いて別の放送局のインタビュー。こちらは先方がトルコ語とスペイン語のできるスタッフを用意してくれました。これがベストなスタイルですが、こういうケースは非常に稀です。カニサレスのトルコ公演は今回が4回目。毎回チケットが完売しているので、どの局も質問の中心は、何故トルコの人たちはフラメンコが好きなんでしょうか?ということ。これって、何で日本人はフラメンコが好きなんでしょう?と言う質問に似ています。答えの難しい質問です。

カニサレスは「トルコは、東西の文化を非常にうまい形で融合した文化を持っている。歴史的に見ても、トルコ国民は、外のものを内に取入れる技術に長けていると思う。これまでの公演に来て下さったお客さんの反応を見ても、音楽に対して非常にセンシティブな感性をもっているのが良く分かる。それに加えて、トルコの音楽には、フラメンコに通じる部分が多いと思う。そういう共通性がきっとトルコの人たちの心の奥に届くのではないだろうか?今夜も、観客の『心の弦』(←カニサレスのアルバムのタイトル)をかき鳴らしたいと思う」というスマートなお答え。


写真:カニサレスのサウンドチェック


取材の終わった後、カニサレスがステージでサウンドチェック。この時点で、既にその他のメンバーのサウンドチェックは終了しています。マイクをセッティングしているのがカルロ。隣のギタリストがフアン・カルロス、その隣のベーシストはイニゴ。ステージ上にとてもいい雰囲気が漂います。


写真:リハーサル 風景


全員揃ったところで、リハーサルが始まります。今の時間は夕方5時半。
約1時間半のリハのスタートです。


写真:リハ中のカニサレス 


リハをしながら、モニターの音の調整を進めます。ステージ上の各メンバーのリクエストを舞台袖のモニターエンジニアに伝えるのも私の役目。


写真:バイレのリハ 


一通り曲のチェックが終わったところで、バイレとのリハ。チャロとアンヘルが、アレグリアスと踊っているところです。


写真:全員で記念写真 


無事サウンドチェックとリハも終わり、皆で記念撮影。終始笑顔のカニサレス。メンバー間の雰囲気も最高。こういう日は、必ずいいコンサートになります。左からチャロ(バイレ&カスタネット)、イニゴ(ベース)、フアン・カルロス(ギター)、カニサレス、ラファ(パーカッション)、アンヘル(バイレ&カホン)、カルロ(音響)。


写真:楽屋で記念撮影 


今日は、全てが予定通りに運び、時間に余裕があったので、カニサレスと記念撮影。写真を撮られながら、カニサレスはブレリアを演奏中です。


写真:ギターソロ 


そして開演。1曲目は、カニサレスのギターソロ。満員の会場が、水を打った様に静まり返ります。カニサレス作曲のメランコリックなメロディー。その日の気分によって、アレンジが加えられて即興の世界が広がります。今日は、気分が乗ったのか、いつもよりも長めのソロ演奏。


写真:カニサレスのセクステット 


グループメンバーも舞台に搭乗し、次々に軽快なリズムが展開します。
お客さんも大盛り上がり!中にはリズムに合わせて身体をゆらゆらさせながら聴き入る人も。曲が終わる度に、「ブラボー」の嵐。そして鳴り止まない拍手。そういう熱気は、舞台の上にいてもビンビン感じるそうで、メンバーもどんどんヒートアップして行きます。


写真:終演。そして2度のアンコール 


アンコールに継ぐアンコールを終え、イスタンブールの観客に感謝するカニサレス。とっても素敵な公演になりました。お客さんのスタンディングオベーションがいつまでも鳴り止みません。よし、またイスタンブールでの公演が出来る、とマネージャー魂が疼く一瞬でもあります。


写真:終演後の楽屋で 


舞台袖で花束を私にくれたカニサレス。そして「この公演をセッティングしてくれてありがとう」とマネージャーに対しての気遣いも忘れないカニサレス。マネージャーとしては、こういう瞬間を迎える度に、次のコンサートへの意欲が更に増すのです。


写真:トルコの友人ピナールと


ピナールと知り合ったのは、4年前のイスタンブールでのコンサートの時。彼女はトルコのソニーに務めていて、カニサレスのCDリリースの件で話し合ったのが最初の出会い。それ以来、Facebookを通じて結構密に連絡を取り合い、今回もカニサレスのコンサートに足を運んでくれました。こうして、現地の人たちと交流を深められるのも、この仕事をしていてよかった、と思えることの1つです。

ホールのディレクターも大満足。近いうちにまたイスタンブールに戻ってこれます様に!





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