ついに迎えてしまった最終日の朝。快晴。
のんびりゆったり過ごさせてもらったサン・クレメンテ・パレス・ホテルを早々にチェックアウト。とても名残惜しくて、後ろ髪を引かれる思いでしたが、たくさんのホテルスタッフに見送られながら、今日も専用シャトルボートでサン・マルコ広場へ。そして今日はそのまま別のヴァポレットに乗り換え、リアルト橋のたもとにあるカフェテリアに向かいます。
写真:朝の日差しが眩しいカフェテリア
美味しそうなクロワッサンがあったので、迷わず2つ注文。
ベネチアのクロワッサンは、なぜかどれもピーチのジャムが入っています。
しかも、できたてのアツアツ。
写真:サクサクのクロワッサン
見て下さい、この立派なクロワッサン。
生地もサクサクしていて、中にはとろ〜としたジャム。
毎度の事ながら、カプチーノと一緒に頂きます。
写真:リアルト橋のゴンドラ乗り場
なぜ今朝は早くからリアルト橋近辺へ来たかといいますと、それはゴンドラに乗る為です。ゴンドラは高いし、観光客向けだし、と色んなご意見も頂戴しましたが、ベネチアに「新婚旅行」に来てゴンドラに乗らないわけにはいかないよね?
それなのに、なぜ1週間もいて、最終日の今日まで乗らなかったかと言うと、どのルートを乗ったら一番楽しそうか、フアンさんと、ああでもない、こうでもない、と色々研究してみたのです。その結果、グラン・カナルと細い路地を両方満喫できるこのルートが一番だろう、ということになり、満を持しての乗船です。
写真:ゴンドラ乗り場
ゴンドラ乗り場、実際来てみるとちょっと足がすくみます。しかも、これまではあまり気づきませんでしたが、結構な波があって、まずはゴンドラに乗り込むにも一苦労。ゴンドラ、実際は意外に細身で、うまくバランスを取らないと、転覆しそうな不安定感。
写真:ゴンドラの装飾
見て下さい、この素敵な装飾。この1週間色々なゴンドラを目にしてきましたが、せっかく乗るなら、この金のオブジェのついた青のゴンドラがいいと思っていました。そしてお目当てのゴンドラに目を付け、ゴンドリエーレのお兄さんと値段交渉。愛嬌を振りまきながら、一生懸命イタリア語で(笑)。最終的には45分60ユーロと、市場の値段よりはずいぶんお安い価格で交渉成立。
写真:こちらも美しいオブジェ
ベネチアにあるゴンドラは、その装飾こそ色とりどりですが、ゴンドラの外側は黒塗りと決まっています。これは、かつてベネチア共和国時代に法律で義務づけられた為で、現在はその法律は無効になっているにも関わらず、伝統の黒い色を守っているのだとか。こうしたゴンドラは現在ベネチア全体で約300隻ほどだそうですが、最盛期の18世紀頃には数千のゴンドラが溢れかえっていたとか。当時はモータボートやヴァポレットがなかった時代ですからね。
写真:ゴンドラに乗って出発!
後ろに写っているのが、私たちを乗せてくれるゴンドリエーレのお兄さん。ゴンドリエーレになるには、ベネチア生まれでなければいけないそうです(これは知らなかった)!難しい試験と、厳しい修行を経て、ようやくなれる職業だとか。このお兄さんも、5年の下積みと25年の職歴を持つ、ベテランのゴンドリエーレなのです。
写真:橋をくぐり抜け、細道を進むゴンドラ
ゴンドラは、ものすごく前後の長さが長いのです。このゴンドラが細道に入る時、90度に右左折することは不可能に思えるのですが、ギリギリのところで、どこにもぶつからずに見事に右左折を繰り返して行くのです。ゴンドラの淵は、あと1センチもすれば壁にこすれそうなのに、それをコントロールするのですから、ものすごい技術です。フアンさんも、これは完全なるマエストロだ、と感動していました。
写真:更に細い水路を進むゴンドラ
この1週間、橋の上から見て来た景色を今度は水の上から楽しみます。ゴンドリエーレが漕ぐのは、1本の長いオール(Remo)で、これはオール留め(Forcola)で支えられています。水深は深く、オールは底には届かないそうです。
写真:ゴンドラでツーショット
ゴンドラは私たちとゴンドリエーレの3人が乗っただけでも、水面ギリギリまで沈んでいる気がしました。左右に揺れると、水が入ってくるんじゃないかと心配になる程です。
写真:フアンさんゴンドラの前方に移動
これは、写真を撮るために移動したのではなく、低い橋の続く区域でゴンドラの前方に重心を少し移しで先端の装飾が橋にぶつからない様にするため。ゴンドリエーレの指示に従って、フアンさんが前方に移動しました。いいシャッターチャンスが巡って来ました。
写真:水面がキラキラしています
この日はとってもいいお天気で、素敵な光が差し込み、同時に雰囲気ある影を織りなしてきます。とてもロマンチックなひととき。
写真:ルートを外れて。。。
ゴンドリエーレのお兄さんが、私たちにどこから来たのか、バケーションか?と聞くのでいえ、Luna di Miele(新婚旅行)で来てるのよ、とすかさず答えると、ちょっと不思議そうな顔をするので(新婚には見えない?)もう14年も一緒にいるんだけど、私たちは毎年新婚旅行してるのよ、で、今年はベネチアに来たわけ。と言うとにっこり笑って、他に連なっていたゴンドラと違う水路に入って行きました。ほら、ここなら誰もいないでしょ。とゴンドリエーレ。お兄さんなかなか粋な計らいをしてくれるじゃない!
それにしても、ゴンドリエーレとこうしてイタリア語で会話できるなんて、私も結構頑張るじゃないですか(笑)。多分、めちゃくちゃなイタリア語なんだろうけど、言ってる事を分かってくれる事の嬉しさ!またまたイタリア語を勉強する意欲が湧いてきました。
写真:再びグラン・カナルへ
ひとっこひとり通らない水路をくぐり抜け再びグラン・カナルへ出てきました。45分のはずが、かれこれもう1時間!ご機嫌のゴンドリエーレのお兄さん、大サービスをしてくれました。感謝です。
写真:ゴンドラで記念撮影
そのゴンドリエーレのお兄さんが撮ってくれた写真。今回のベネチア旅行で私が一番気に入っている写真です。
マエストロ魂でゴンドリエーレと共感したフアンさんは、私が交渉して値切った60ユーロに加えて、チップをたっぷりはずんでいました。確かに、こんなに素晴しい体験が出来ると初めから分かっていれば、値切り交渉もしなくても良かったかも?と思える程でした。でも、きっとゴンドリエーレにも当たり・外れがあるはず。私たちはラッキーだったのかもしれません。
写真:リアルト橋にて
ゴンドラ初体験に大満足の私。これまでに何度も渡ったリアルト橋ともお別れ。
なんだか急にメランコリックな気分になってきました。
写真:ベネチアの路地
日差しが素敵なベネチアの路地。写真も撮り納めと思って、あちこち撮影しながら歩きました。これから向かうのは再びサン・マルコ広場。ベネチアを発つ前にどうしてもよりたいところがあるのです。
写真:ベネチアの風景
見慣れたこの風景とも今日でお別れ、と思うと何だか寂しい気もするのですが、歩みを止めるわけにはいきません。向かっているのは。。。
写真:カフェ・フローリアン
イタリアで最古とも言われるカフェテリア。1720年創業の、カフェ・フローリアン。
サン・マルコ広場には、素敵なカフェがたくさんあるのですが、一番のお目当てはこちら。美味しいおかずは最後に食べる主義の私は、このカフェでの優雅なひとときを、ベネチア最後の思い出にすべく、今日までお預けにしてきました。
写真:カフェテリアの内部
この時間は、お客さんも殆どいなくて、幾つもあるサロンのうちの1つをフアンさんと私で貸し切り状態です。最高すぎるシチュエーション。
写真:素敵な食器
フアンさんは、カプチーノ。そして私はレモンティーを注文しました。
写真:イタリアンジェラート大盛り!
が、今日は飲み物だけでなく、フアンさんはジェラートの大盛りを頼んで大満足。見て下さい、この嬉しそうな顔(笑)。
写真:モツァレラチーズ、トマトとルーコラのサンドイッチ
私もしっかりサンドイッチを注文。絶品でした!
写真:フローリアンのカプチーノ
フアンさんに、美味しいから飲んでおいた方がいいと勧められるがままに、食後にカプチーノも注文。クリーミーで美味しい。毎日カプチーノ三昧でした。
写真:フローリアンの紅茶
紅茶もとても美味しかったので、お土産にフローリアンの紅茶を購入。
紅茶を購入する時にアテンドして下さった方とは、イタリア語で会話をしていたのですが、後に日本人の方と判明。お互い初めは日本人と分からなかったのですが(笑)。マドリードにもいらした事があるそうで、私の大のお気に入りのカフェ・オリエンテがとても気に入ったとおっしゃっていました。
写真:カフェ・フローリアンにて
今朝チェックアウトしたサン・クレメンテ・パレスのボートが、私たちのスーツケースをサン・マルコ広場に届けてくれる事になっています。その受け取りの時間まで約2時間、最高にゆったりとした気分で、貸し切りのフローリアンを満喫しました。