2012年2月7日火曜日

スペイン流の時間の流れ方?


サルバドール・ダリ『記憶の固執』





スペインと日本では、違う時間が流れている、と私はいつも思う。
1日は同じ24時間のはずだけれど、その感じ方というか、捉え方が違うのだと思う。


例えば、午後3時に待ち合わせをした時、多くの日本人は、3時という「点」を意識して、その5分位前には目的地に着いている。自宅からその場所までかかる時間や、家を出る前に準備にかかる時間などを逆算して、予定通りに着く。


スペイン人と午後3時に待ち合わせをした場合、多くのスペイン人は3時頃という「範囲」を意識する。点ではなく範囲を目指して集まってくるから、3時5分とか、10分ぐらいに目的地に到着する。まあ、どちらも「3時頃」という範囲内に収まっているから、彼らの感覚からすれば「予定通り」そして「時間通り」ということになる。待つ方も待たせる方も、同じ時間の感覚を持っているから、問題は生じないのだ。


もうこのスペイン社会に14年も生活しているから、こういう仕組みは分かる様になったけれど、それに慣れることはどうしても出来ない。無駄とは分かっていても無意識のうちに頭の中で逆算をしてしまうし、どうしても早く着いていた方が気分がいい。予想外の渋滞などに巻き込まれて、遅れそうになると、気が揉んで落ち着かない。私が5分遅れたところで、恐らく誰も問題にさえしないことは分かっていてはいるのだけれど。やはり私は日本人なんだな〜と感じる瞬間だ。


面白いのは、時間を「範囲」で捉えているなら、遅れるだけじゃなく、早く着く場合があっても良さそうなものだが、そういうケースは殆ど無いということ(笑)。


更に面白いのは、一見のんびりしている様に見えるスペイン人の多くは、とてもせっかちということ。例えば、車で信号待ちをしていて、青になって、走り出すまでに1秒かかってしまうと、たちまちクラクションの嵐になる。なぜ1秒を焦るのに、10分遅れることには無頓着なんだろう?


こんなスペインの格言がある。

「走って家を出た3人は、ミサの時間に遅れて到着した。
ゆっくり歩いていった3人は、ミサの時間に間に合った」

余裕をもって行動しなさい、という教訓自体は存在するようなのですが。。。



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