2009年3月5日木曜日

スペイン国立バレエ団


写真:スペイン国立バレエ30周年記念企画、パンフレット


スペイン国立バレエが創立されたのは、1978年のこと。今回は30周年記念行事の一環として、芸術監督ホセ・アントニオ監督による『エスクエラ・ボレーラ』が上演されました。初日公演に招待されたフアンさんにくっついて、私もご相伴にあずかって参りました。

今回の国立バレエの作品『エスクエラ・ボレーラ』は、3部構成のエスクエラ・ボレーラの作品集です。エスクエラ・ボレーラとは、クラシコ・エスパニョルに分類されるスペイン古典舞踊の一種で、バレエシューズを用いて踊られます。その昔、海外でクラシックバレエを学んだスペイン人の舞踊手が、バレエにスペイン的な要素を織り交ぜて考案した踊りといわれ、カスタネットを巧みに使いながら繰り広げる、跳躍を多分に盛り込んだステップが特徴的です。フラメンコ的な要素もたくさん見られます。クラシックバレエでも、フラメンコでもないスペイン特有の古典舞踊の一種です。

残念ながら今日では、エスクエラ・ボレーラが上演されることは、スペイン本国でもどんどん減っており、幻の舞踊となりつつあります。それを大々的に取り上げた今回のスペイン国立バレエの企画は、まさに創設30周年の記念に相応しい文化事業だと思います。

スペイン国立バレエが1980年代に初演した作品から、今回新たに振付けされたものまで、どれも完成度の高い素晴しい作品です。衣装もとても華やかで素晴しい。終演後楽屋で、スペイン国立バレエの衣装担当の人が「これらの衣装は国の宝よ」といいながら見せてくれた衣装には感嘆です。舞台上で存在感を醸し出していた衣装達は、近くでみるとさらに素晴しい。生地の質から細かな装飾に至るまで、ものすごく手が込んでいてまばゆいばかりに輝いているのです。そしてかなり重い!こんなに重い衣装を着ながら、よくあんなに軽やかに踊っていたなぁと、改めて感心させられました。



今から30年前、スペイン国立バレエの初代芸術監督に就任したのは、かのアントニオ・ガデスでした。以来、3−5年ごとに新しい芸術監督を迎え、現在はホセ・アントニオが2度目の芸術監督として指揮を取っています。スペイン国立バレエは、その名の通り国立のバレエ団で全てのスペイン舞踊の伝承と普及を主要な目的として活動しています。こうした素晴しいスペイン生まれの芸術がいつまでも廃ることなく受継がれていくことを願ってやみません。


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