前評判からとても話題豊富だったメシアンの大作オペラ『アッシジの聖フランチェスコ』を観に行って来た。マドリード王立劇場のプロデュースだけれど、会場はマドリード郊外のMadrid Arenaという特大催事場。王立劇場のステージには舞台セットが入り切らないそうだ。
王立劇場の芸術監督モルティエ氏も大絶賛のこのオペラ、初日の今日は4000人の客席がほぼ満席。客席の数列前方にはスペイン王妃もいらしていた。
18時開演、2度の休憩を挟んで終焉は24時過ぎという長編オペラ。オリジナル言語はフランス語で、舞台後方の大型スクリーンに随時スペイン語字幕が映し出される(それを読むだけでも大変!)。
130名を超える大オーケストラ、120名を超えるコーラス、どれをとっても壮大なこのオペラでは、メシアンの色彩をたっぷり味わう事が出来る。
写真:開演前の舞台
鳥かごをイメージした巨大なオブジェ。設置だけで21日の日数を費やしたそうだ。中に組み込まれている1000を超える電灯が、次々に色や明るさを変え、各場面を彩りながら、宗教的な神秘さを醸し出す。
個人的には、天使役のソプラノ歌手カミラ・ティリングの美声に圧倒された。6時間という長丁場にも関わらず、全8場面は、それぞれ十字架、天使、小鳥、生と死といったテーマを余すところなく表現していて、観るものを飽きさせない。
生まれてこのかた、こんな長編を観たのは初めてだったが、オーケストラや舞台装置の壮大さだけでなく、作品の奥深さを充分に堪能できた素晴しい体験だった。
写真:フアンさんと今日のツーショット
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