写真:12粒のぶどう準備中
スペインの大晦日には、12時を知らせる鐘にあわせて12粒のぶどうを食べる習慣があります。日本で言えば、年越しそばのような、国民的行事です。来る年の幸福を祈って始められた習慣。その始まりは、1909年にアリカンテで採れすぎたぶどうを捨てるのが惜しくて、大人も子供も皆12時の鐘に合わせてぶどうを食べ、来年の豊作を祈ったというのが始まりのよう。ということは、今回で100周年のおめでたい習慣なのです!
私の住む、マドリード郊外の町では、今年も市役所が市民にぶどうをプレゼントするので、今日は夕方からその準備に呼ばれて行ってきました。けっこう几帳面にぶどうを水洗いし、1粒1粒数えながらプラスチックのシャンパングラスに入れていきます。ちなみにこのシャンパングラスは、年が明けてから、広場で振る舞われるシャンパンを飲む時に再利用される優れもの。
用意されたシャンパングラスは約1000個。ということは単純計算でも12000粒のぶどうをパッキングしていく、途方もない作業なのであります。ワイングラスを手に、煙草を吹かしながら、楽しくおしゃべりばかりが進むスペイン人グループ。。。集まった市役所の役員と有志10名の内、作業をしているのは約1名。効率的な作業重視の日本人的発想がいまだに拭えない私でありました。。。
写真:市役所前の広場も準備万端
何はともあれ、みんなからお褒めの言葉を頂き(笑)作業終了。家路に着く途中に広場に寄ってみると、こちらも作業完了していました。夜中になると、この枯れ木の山が壮大なキャンプファイヤーと化し、ここで「私が」準備したぶどうが皆に振る舞われるのです!