2007年9月6日木曜日

CUMPLEAÑOS EN MALAGA!

今日9月6日の誕生日は、スペインアンダルシアのマラガで迎えた。昨日からこの地を訪れている。私がマラガを初めて訪れたのは、今からちょうど10年前、大学4年の時だ。当時貧乏学生だった私は、安宿やユースホテルを点々としながらスペイン中を廻ったのだが、その旅の中で最も鮮明に記憶している都市の一つがこのマラガだ。小高い丘の上にそびえ立つヒブラルファロ城に立ち、いつかまたこの地を訪れることができたらどんなに素晴しいだろうと思いを巡らせたものだ。ヒブラルファロ城から見下ろす眺めは雄大で、丘のほぼ頂上に位置するパラドールを見て、「ああ、こんなパラドールに泊まることができたら」とため息をついたこともはっきり記憶している。

そして、今日、33歳の誕生日を迎える私は、再びヒブラルファロ城の丘に立っている。「マラガ・エン・フラメンコ」という2年に一度のフラメンコフェスティバルにカニサレスが出演するためだ。しかも、宿泊は10年前夢に見たパラドール。誕生日の夜を迎える私に取っては、何とも感慨深いシチュエーションが揃ってしまった。ビバ・マラガ!

コンサートの中盤カニサレスは得意のバラードを弾き始める前に、おもむろにマイクを手にした。そして、ゆっくり話し始める。

Quiero dedicar siguiente tema a una persona muy importante y especial para mí...que está aquí con nosotros...y a demás hoy a partir de las 12 de medianoche es su cumpleaños...es mi mujer Marichan!

(次の曲を、私の特別で大切な人に捧げます。今夜この会場に来ている人で、深夜12時を過ぎると誕生日を迎えます。それは、私の妻、マリチャンです)
会場の割れんばかりの拍手。客席後方の音響の近くに陣取っていた私を満員の観客が振り返り、「フェリシダデス!(おめでとう)」の嵐。その間カニサレスは舞台上で「ハッピーバースデー」の曲を奏で始める。立ち上がって「ありがとう!」とか、なんとか言いたかったのに、あまりの感動に涙ぐみそれもできない醜態をさらしながらも、拍手を送り続ける。最高のプレゼント!今更だけど、ありがとう、フアンさん。


Es que eres tan detallista y a veces me haces llorar. Me alegro mucho por estar aquí contigo, un día tan especial para mí. No olvidaré nunca el regalo que me hiciste esta noche. Espero cumplir muchos más años y que lo veas tú siemre a mi lado!

奇しくも、私に捧げてくれた曲(lejana)の途中で深夜12時を回り、その瞬間にまた会場から拍手がわき起こる。感動に酔いしれた一夜だった。コンサート開始時間が遅いのはスペインではよくあることだが、今日のコンサートは特別に遅かった。パラドールに戻った頃はもう既に深夜2時を回っていたが、それからグループのメンバーとパティオで乾杯。10年前夢に見たパラドールから見下ろすマラガの街はいっそうの輝きを増して見えた。