昔からアルコールには弱く、ワインもビールも苦手だったのでお酒については殆ど興味がありませんでした。が、このところスペインワインがマイブームなのです。
スペインでは、食事の時にワインを飲むのは健康上にも良いとされています。お医者さんも薦めています。赤ワインには、日本でも有名なポリフェノール(スペイン語ではポリフェノル)が豊富に含まれているから、という科学的な裏付けもあるのでしょうが、実際にスペイン人でポリフェノルという成分名を知っている人はあまりいません。
なぜあまりワインが好きじゃなかったかというと、特に赤ワインのあの渋みが苦手だったのです。さらに言うと、自宅にお客さんが来てワインを開けるとき、コルクを抜くのは私の役割なのですがこれが全くうまくいかない。毎回皆の前でちょっと恥ずかしい思いをするのでプチ・トラウマになりかかっていたのです。
しかしこの2つの問題が、このところ一気に解決してしまったため、にわかに赤ワインが私の中でブームになりつつあるわけなのです。まず、ものすごく美味しい赤ワインに出会ったこと。リベラ・デル・ドゥエロの、Bodegas Fuentespina Reserva Especial 2003. スペインの赤ワインといえばリオハという図式だった私に目から鱗の、超芳醇まろやかワイン。
写真:リベラ・デル・ドゥエロのワイン
そもそもスペインは、フランス、イタリアに続いて世界第3位のワインの産地!ワインは、産地ごとに特色があります。原産地呼称制度(Denominación de Origen)という制度によってその品質を保証され、原産地名をブランドとして保護された60を超えるワインの産地があります。
その中で最も位が高いのがリオハのワイン。だから、いつのまにか自分の中に「ワイン=リオハ」という観念が出来てしまっていたんですね。その他に有名なのは、今回私がはまっているリベラ・デル・ドゥエロ、ヘレスのシェリー酒やカタルーニャ地方の名産のカバなどがあります。カバは、シャンパンと同じ製法の発砲ワインですが、この原産地呼称制度のため、シャンパンと呼べるのはフランスのシャンパーニュ地方でつくられる発泡酒のみ。同じお酒も産地が変わると名前が変わるのです。
もうひとつは、これ↓
その名も、サカコルチョ・ペルフェクト(完璧なオープナー)。絶対失敗しません。どうやって使うかと言うと↓
写真:完璧なオープナーの使い方
機械(?)は2つのパーツにわかれていて、まずワインのシーリングを取り除く為のカッター(左)。ワインの頭の部分で、くるくるっと一回転させます。コルク部分が見えたら、もう一つの機械(右)でワインの口を挟み込み、グリップ部分を上下に一往復させると、あら不思議。スポンっとコルクが抜けるのです。所要時間1秒。この完璧なオープナー、お値段も70ユーロ(約8400円)程とちょっと高めですが、その価値アリ!ワインを飲むより、コルク開けの方が楽しくなっちゃいそうなスゴイ一品です。
*今日のことわざ*
El vino, comido mejor que bebido.
(える びの こみーど めほーる け べびーど)
ワインは、飲むより食べる方がよい。少量のワインは健康に良いけれど、がぶ飲みするのは健康に悪い、ということを言ったスペインのことわざです。スペインにはワインが登場する諺がたくさんあります。それだけワインが生活に密着しているということですね。
ところでこの諺、昔から気になっていたんですが、日本でよく聞く「牛乳をかんで飲みなさい」とちょっと似ていますね。