スペイン文化関連の情報がほしいなら、セルバンテス文化センター(Instituto Cervantes)が便利。世界中44カ国78都市に展開していて、数年前には東京にもセンターがオープンした。その施設数は年々増え続け、2010年には、78都市のうち63都市までが独自の図書館を完備するに至った。これはスゴイ。
今から2週間程前、2010年の業績と2011年の展望を紹介する報告会がマドリードのセルバンテス文化センター本部で開催され、私も参加して来た。その中で紹介された、図書館プロジェクトに感銘を受け、私も何か出来ないかと考えてみた。
写真:マドリードのセルバンテス文化センター
そこで思いついたのが、カニサレスのCDを寄贈するというプロジェクト。セルバンテス文化センターなら、スペインやスペイン語に興味のある人たちが集う場所だし、なにより、スペイン文化を普及させる為の国の施設だから、カニサレスの音楽をより多くの人々に聴いてもらうにも、これ以上ないほどいいアイデアに思えた。
さっそく、カニサレスに相談。彼もより多くの人に音楽を届ける1つの手段として、CD寄贈はなかなかいいプロジェクトだと評してくれた。
それならば善は急げ。その日のうちに、マドリードの本部に電話をかけてみたが担当者不在(スペインではよくある)。それでは、と、全世界のセルバンテス図書館をまとめるマドリード本部のディレクターに思いの丈を込めたメールを送ってみた。
するとほどなく、感謝の意が込められたメールが届いた。是非お会いしてお話ししたい、とのこと。
カニサレスはなにかと忙しいので私がアポを取り、今日、ディレクターにお会いして来た。彼女は、カニサレスのコンサートにもいらしたことがあり、CDもプライベートコレクションされているほど、カニサレスの音楽にも熟知されている。セルバンテス文化センターとしては、なるべく多くの図書館に本やCDを取り揃えて行きたいが、予算の問題もあり、全てが思い通りにはいかないと言う。だからこそ、カニサレスのようなフラメンコやスペインの音楽を代表するミュージシャンが、自らのCDを寄贈して下さることに、セルバンテスセンター一同、とても感謝しているというお言葉をいただいた。
これから1ヶ月のうちに、全て準備を整え、各国へと郵送されることになる。まだまだ色々な手続きは残っているが、アイデアが形になる1歩を踏み出せたことに、今日はとても満足。
マドリードを歩いていて見つけたこの広告。
La perfección no existe. Aun así hay que buescarla.
(完璧は存在しない。それでもそれを追い求めなければいけない)
その通りだと思います。