2011年2月16日水曜日

ベルリンへの旅(その2)


ついにこの日がやってきました!サイモン・ラトル氏に出会う日。朝から興奮して、対面風景をいろいろシミュレートしてみたり、落ち着かない。

関係者入り口から入れて頂き、まずはベルリンフィルのプログラム・マネージャー、マルクス氏と対面。今日のスケジュールについて説明を頂いた後、さっそく4月に予定されているザルツブルグでのリハーサルについての打ち合わせ。何から何まできっちりしてる!そして何より驚いたのは、ものすごく綿密な下準備をされているということ。カニサレスの経歴や作品、どんなアーティストと共演したかについてまで、熟知されている。さすが。


写真:ベルリンフィル・ホールの玄関

そして、大ホールに案内され、ホールの中でも一番音響的にいいとされる中央の席を教えて頂いた。カニサレスと共に、だだっ広いホールに座り、リハーサルが始まるのを待っていると、と、登場されました〜。サイモン・ラトルさん。

まずはグスタフ・マーラーの交響曲のリハから。ラトル氏はなんと楽譜を見ずに指揮している!それでいて、フルートにダメだし。バイオリンのフレーズを細かく指示。さすが、耳が違うんだな。約1時間のマーラーのリハが終わって、いよいよ休憩時間。指示通りにラトル氏の楽屋を訪れると。。。


写真:ベルリンフィルのプレスもラトル&カニサレスの写真撮影

ドアを開けるなり、カニサレスときつ〜い包容を交わしたラトル氏。私の手を握って中へどうぞ、どうぞ、と引っ張っていく。大物は器が違う。

広い専用楽屋のソファーでカニサレス&ラトル会談。一応、通訳(英語/スペイン語)に対応できるよう身構えてはいましたが、全くそんな必要なし。ラトル氏、英語が母語でないカニサレスに、優しくクリアーな英語で語りかけます。30年程前に、初めてスペインのビルバオで指揮したときのこと。初めてロドリーゴ氏に会うまで、彼が盲目と知らなくて焦ったというエピソードまで惜しみになく披露され、さらにはカニサレスに「その時にようやく、なぜアランフェス協奏曲の中に、ギタリストにとってインポシブルといえるフレーズがあるのか、初めて理解したんですよ。ギターの指使いを見たことがなかったからなんですね。あの協奏曲、ギタリストを悩ませる箇所が多々あるでしょう?」とカニサレスを労う余裕のコメント。

予定時間を大幅に過ぎて、リハの第2部が始まるギリギリまで私たちをもてなして下さいました。おかげでラトル氏、休憩なしでそのままリハ突入です。私たちも客席に戻り、ストラビンスキーのリハをこころゆくまで堪能しました。


写真:ベルリンのセルバンテスセンター

ベルリンフィルでの素晴しい午前中の後は、セルバンテスセンターで打ち合わせ。文化部の部長さんと、会食の予定。


写真:2007年にスペイン国王が訪れたときの記念碑

このセルバンテス文化センターには、スペイン国王もいらしたことがあるんですね。そういえば、5月1日の王立劇場でのベルリンフィルとのコンサートには、スペイン国王夫妻もいらっしゃる予定という話をプログラム・マネージャーのマルクスがしていたのを思い出しました。カニサレスにとっても初めての御前演奏となるわけです。ますます楽しみ。


写真:フランセスク(中央)とクリストファー(右)

フランセスクは、セルバンテスセンター文化部の方。彼がかつて(10年くらい前)ミュンヘンにいた時も、その後ブラジルのサンパウロに勤務していたときも、いつも色々協力して頂いているのに、直接お会いしたのはなんと今日がはじめて!でも、もう10年前からの知り合いですから(笑)お互いなんだか、初めてという気がしませんでした。

クリストファーは、フラメンコに造詣の深い、ドイツ人のプロモーター。これまでにパコ・デ・ルシアやエバ・ジェルバブエナなど大物を手がけてこられた、超一流のプロフェッショナルです。今回のカニサレスベルリンフィルとの共演をきっかけに、色々とお世話になっています。

夕刻、再びベルリンフィルに戻り、ラトル指揮のストラビンスキー&マーラーの公演を鑑賞。リハのときも素晴しかったけれど、公演ではさらにパワーアップした素晴らしさ。世界最高峰のオーケストラの名にふさわしい、完璧な公演でした。


長い長い一日となりましたが、深夜にもう1つ約束が。。。

写真:カルロス・ヌニェス、パンチョとカニサレスと共に


なんと偶然にも、スペインの超有名なバグパイプ演奏者、カルロス・ヌニェスもたまたまベルリンを訪れていたのです!今夜はベルリンでコンサートがあったのですが、私たちはベルリンフィルの方に行ったので、残念ながらカルロスのコンサートは見られず。でも、お互いのコンサート後夕食を一緒にとりました。

私がカルロス・ヌニェスと初めて会ったのは今からもう12年前。カニサレスが彼のツアーの招待アーティストとしてコラボしていた頃でした。日本では5年位前にスタジオジブリのアニメ「ゲド戦記」の音楽を手がけたことで有名になった彼。ガリシアの出身で、ケルト音楽をメインに活動していますが、フラメンコとカニサレスの大ファンで(笑)都合が付くときは必ずコンサートにも足を運んでくれます。ベルリンという意外なところで久々に出会い、夜中の3時頃まで尽きることない話題で盛り上がりました。

とても充実した1日でした。









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2011年2月15日火曜日

ベルリンへの旅(その1)


今日から3日間、ドイツはベルリンでのお仕事。5月1日にマドリードで予定されている、ベルリンフィルとのコンサートに備え、顔合わせと打ち合わせを兼ねて、寒空のベルリンに降り立ちます。

写真:ベルリンの空港にて

マドリードは雨でしたが、ベルリンには澄んだ青空が広がっていました。し、しかし、寒い!風もびゅんびゅん吹き付け、覚悟はしていたものの、あまりの寒さにしょっぱなから鼻水祭りです。


写真:ベルリンのメトロ

ドイツのプロモーター、クリスに付き添われ、ドイツのメトロに乗る私。マドリードよりも公共交通機関が充実しています。寒いので、タクシーを利用しようと考えていたのですが、飛行機が遅れたこともあり、今夜のコンサートまであまり時間もないありさま。ちょうど今、ベルリン映画祭が開催されていて、この時間ベルリンの道路はラッシュ状態。

写真:夜のポツダム広場

そして着いたのは、ここ、ポツダム広場。以前ベルリンに来たときもここを中心に滞在したなあ。懐かしい。それにしても、奇麗な夜景です。


写真:ベルリンフィルをバックにフアンさんと

ポツダム広場から徒歩5分のところに、あの、ベルリンフィルの本拠地、フィルハーモニーホールが佇みます。ドイツの建築家、ハンス・シャロウンが設計した、五角形のホールは、大ホール(Filharmonie)と小ホール(Chamber Music Hall)のふたつがあります。今日は、小ホールで開かれるストリング・オーケストラのコンサートに招待されています。

写真:夜のベルリンフィル

ライトアップされた姿も美しい、ベルリンフィルの本拠地。クラシック界の殿堂です。

写真:コンサートマスター、樫本大進さんとカニサレスと共に楽屋にて

昨年12月に、正式にベルリンフィルのコンサートマスターに就任された、樫本大進さんと、コンサート後に初めてお会いしました。残念ながら、彼は5月1日のマドリードでのコンサートにはいらっしゃらないのですが、またいつかご一緒できる機会があれば素敵です。


写真:ソニーセンターの天井

コンサート後は、フィルハーモニー近くのソニーセンターへ。
映画館やお店、レストランが集まったスポットです。

写真:ソニーセンター内のレストラン

寒いので、早々にレストランへ。お腹もすいてきました。

写真:粗挽き胡椒のソーセージ

ドイツに来たので、やはりソーセージ(笑)。メニューにもたくさんソーセージが並んでいるので、どれに使用かと散々悩んだ挙げ句、この粗挽き胡椒のソーセージをまず注文。


写真:ハーブたっぷりのホワイトソーセージ


そしてもうひとつは、こちら、ホワイトソーセージ。ハーブがたっぷりで濃厚なお味。ソース等何もつけずにそのまま頂くと、ビールが飲みたくなる。明日、大事な仕事があるので今日は飲まないことにしましたが、ドイツ人がビール好きなのが何となく理解できる気がします。


長い一日を終えて就寝。明日はいよいよ、サイモン・ラトル氏と対面です!



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2011年2月12日土曜日

マドリードのお勧め中華料理


この週末は、久々に約束も予定も入っておらず、フアンさんと気ままな土曜日を過ごしました。朝ゆっくり起きて、まずは熱いお風呂にゆったりと浸かり、遅めの朝食の後マドリード市内に向かいます。まずは、久々のお買い物。来月フアンさんの新しいCDジャケットの写真撮影があるので、それに見合う衣装や小物を調達。思いっきり買い物すると、気持ちいい!


写真:レストラン入り口

そして、今日の昼食をどこにするか、色々考えた末、私たちがスペイン中の中華料理店の中で最高とランク付けしているマドリードの中華『CHINA TÉ』に決定。ここに足を運ぶのは久しぶりです。


写真:入り口に飾られているオーナメント

ここのレストランのオーナーは、中国人の女性リリーさん。私たちも以前から親しくさせてもらっています。彼女はカニサレスのCDの愛聴家でもあります。マドリードの住宅街に隠れるように佇むこのレストラン。実はマドリードの歴代中国大使、お墨付きの超本格派中華料理店なのです。

写真:パイナップルのチャーハン

ここのパイナップルのチャーハンは格別。半分に切ったパイナップルを器にした盛りつけも粋ですが、しつこくないサッパリとした味と、ほのかなパイナップルの甘みがなんとも上品。私たちのお気に入りのメニューです。

写真:肉とエビの焼きそば

焼きそばの麺がとても美味。味付けも本格中華。気づかないうちにどんどん箸が進みます。

写真:車エビと野菜の炒め物

毎回、何を注文するか悩んでしまいますが、今日はこちらの野菜炒め。プリプリのエビがたっぷり入った野菜炒め。野菜も素材の味が活かされていて、なかなか。


写真:本日のおつまみデザート

全て食事が終わると、いつものリキュールサービスとおつまみ。日替わりのおつまみ、今日はピーナッツの砂糖がけ。甘さとしょっぱさが程よくて、リキュールも進み、いつのまにかほろ酔い気分に。。。美味しい中華を食べたいときは、是非!

CHINA TÉ
C/Santa Hortensia 60, 28002 Madrid
+34-91-519-3435
年中無休




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2011年2月6日日曜日

アルマグロへの旅(その2)


写真:アルマグロのパラドール前で早朝のフアンさんと私

昨晩のワインはおかげさまで二日酔いにならず、清々しい朝を迎えました。今回は、宿泊のみのお得なプランでパラドールに泊まったので、まずは朝食をとるためにアルマグロのセントロ向かいます。

写真:アルマグロの街並。のどかな日曜の朝。。。誰もいない

この街の人が寝坊助なのか、日曜は誰も外に出ないのか、人っ子一人いない街並。朝食を食べられるか、僅かな不安がよぎるも、中央の市役所広場に向かう我々5人。


写真:市役所の広場。。。ほんとに誰もいない。。。

広場に着いても誰もいない。でも、カフェテリアやお店が少しずつ開き出して安堵。危うく朝食を食べ損ねるところでした(汗)。


写真:アルマグロ名産、レース編み

市役所広場にあるお店で、レース編みのデモンストレーション。スペイン語でレース編みはEncaje de Bolillos(えんかへ・で・ぼりーじょす)といいます。その優雅なデザインは中世の貴族達に大変好まれ、位の高い司祭さんもレース編みを身にまとっています。

ところで、デモンストレーションでは、超スピードで編み込んでいましたが、これはかなり高度な技術。スペイン語の más dificil que un encaje de bolillos(レース編みよりも難しい)と言う表現はここから来ているのですね。



写真:ほぼ貸し切り状態で街を散策

お店は開いて来たものの、観光客がいないので貸し切り状態。読書好きのフアンさんは何冊かの本を、私はコレクションしているデダレス(西洋指ぬき)を1個購入。



写真:ダイミエルの国立公園

さて、当初の予定では、今日はアルマグロのパラドールを出た後、コンスエグラのお城を見に行く計画でしたが、急遽予定変更。アルマグロのパラドールのすぐ近く(30キロ程)に、ダイミエルと呼ばれる国立公園があり、私はもちろん他の4人も来たことがないと言うので、そちらを訪問することに。


写真:壮大な自然が広がる

大自然に囲まれたこの国立公園、1年中開いていて入場料は無料。それでも、ビジターセンターにはここの自然を説明したミニ博物館、さらに詳しい公園のマップも無料で配布されているという素晴しい公園。


写真:尾瀬のハイキングコースのような木の橋が延々と続く

湿地に住む生物が、自然のまま保護されている国立公園なのです。その広さ、膨大すぎて、歩ききれませんが、一部が散歩コースになっていて、写真のような木の橋を渡って行けるようになっています。一部といっても、この橋何キロも続くので、順路に従って一通り巡ります。


写真:水面が輝いて、本当にキレイ。のぞくと魚が泳いでいる。

ここでも今日は殆ど観光客がいなくて、とてものどかなお散歩。風車は昨日も見たので、コンスエグラでなくこちらを選んで大正解でした。


写真:記念撮影(フアンさん撮影)

今日はなんと気温が18度まであがり、昨日にまして温かい(暑い?)一日になりました。冬物のコートは、この後脱ぎ、セーターも脱ぎ、手荷物がかなり増えます(笑)。


写真:鴨も間近に。。。© Carlo González

写真:見晴し台の休憩所で一休み

こちらは、小高い丘になった部分の見晴し台。地平線まで続くかのような、超壮大な国立公園が見渡せます。が、歩き疲れて小休止。今日は花粉がほとんどなくて、快適です。


写真:レストラン「メソン・エル・ボデゴン」

自然公園を何時間も散策した後は、ちょっと遅めの昼ご飯。ダイミエルの国立公園に来ることは予定していなかったので、レストラン情報も皆無。苦肉の作でカーナビで見つけたレストランが、なんと大当たり!スペイン皇太子も訪れたことのあるという、このあたりでは飛び抜けて有名なレストランでした。ラ・マンチャ地方の郷土料理に舌鼓をうち、また果てもない会話を続けて、デザート、カフェ、と続き、最後になってまた食事の写真を撮り忘れたことに気づいた私。いいんです。その分じっくり堪能させて頂きました。



写真:今日のお気に入りのツーショットはダイミエル国立公園で

1泊2日の小旅行でしたが、とってもリフレッシュできた素敵な旅になりました。中でも、この日訪れたダイミエルの国立公園でのひとときは、大自然に囲まれ、身も心も癒されました。




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2011年2月5日土曜日

アルマグロへの旅(その1)


この週末は、フアンさんと私の友人、エバ,カルロとルナちゃんの5人で、カスティージャ・ラ・マンチャへの小旅行に出かけました。この週末は、フアンさんと私の友人、エバ,カルロとルナちゃんの5人で、カスティージャ・ラ・マンチャへの小旅行に出かけました。

写真:カンポ・デ・クリプターナの風車

日本から友人や家族や親戚がくると、時間のあるときはここまで足を伸ばしますが、私たちもここへ来たのは実に5年ぶり。いつも大勢の観光客でごった返していますが、今回は観光客が殆どいなくてラッキー。いつになく、ゆったりと過ごせます。



写真:風車の前で(フアンさん撮影)

この風車の丘まで来る途中は、たくさんのオリーブ畑をくぐり抜けてきました(今日のドライバーは私なので写真は無し。。。)

問題は、私が重度のオリーブアレルギーということ!薬を飲んだけれど既に遅し。鼻水も、くしゃみも止まらず、涙目で化粧が落ちる。。。ちなみに、オリーブアレルギーと診断されたのは今年が初めて。といっても、オリーブ(の実)やオリーブ油には全く反応せず、オリーブの木に反応するアレルギーだとか。とりあえず、風車の中に避難。。。


写真:風車の内部

風車の内部は、粉引きがどのようにされるか触ってみられるようになっています。仕組みが良く分かるように、粉があたりに散らばっているんだけど、粉塵アレルギーの私はここでもキツ〜いアレルギー反応。風車に避難したはずが、そそくさと退散。。。


写真:カルロ、エバ、フアンさん、奥にいるのはルナちゃん

気を取り直して、皆で記念撮影。でも石ころ遊びに夢中のルナちゃんだけは遠くに写っています(笑)。幸運にもお天気に恵まれ、小春日和だったので、小旅行気分も盛り上がります。


写真:レストラン『ラス・ムサス』で昼食

いい時間になったので、レストラン『ラス・ムサス』でお昼にすることにしました。ちなみに、スペイン語で musa(むーさ)とは、音楽(や詩や芸術)を司る女神のこと。ここから派生して musica(音楽)やmuseo(美術館)と言う言葉ができています。で、そこから更に派生して、通常 musas(むーさす)はインスピレーションを意味します。でも、この絵の二人の修道女(?)は女神にはちょっと見えないですよね(苦笑)。



写真:レストランでフアンさんとくつろぎ。。。

涙目、赤鼻のトナカイ状態でレストランにたどり着いた私は、ようやくくつろぎタイム。花粉症って疲れるんですよ。。。


写真:レストランの大きな窓からの風景も最高

この大きな窓から眺める風景が格別。ワイングラスを片手に、ラ・マンチャ地方の名産ケソ・マンチェゴを味わい、ピストをつまみにもう1杯。ピストとは、ラ・マンチャ地方の郷土料理で、切り刻んだ野菜をトマト味で煮込んだもの。家庭によって使う野菜はさまざま出そうですが、「正統な」ピストは、赤と緑のパプリカ、玉ねぎ、ニンニク、ズッキーニとトマトの野菜煮込みだとか。食べるのに夢中で写真撮り忘れ。


写真:レストランの地下は、洞窟のようなカフェテリアになっています

今日は観光客が殆どいないので、この地下のカフェテリアも貸し切り状態。アレルギー症状も随分回復し、私に取っては防空壕のようなこの洞窟でもう一休み。話しても、話しても、尽きることのない会話がいつまでも続きます。普段の仕事から解放され、本当に充電されます。


写真:岩場に座るエバと私。。。

その後も、ポカポカの太陽に誘われて、ここを去る気になれず(笑)何をするでもなくのんびりと過ごします。ああ、素晴しい。この時の流れ。。。


写真:アルガマシージャ・デ・アルバの入り口の看板

さて、今日のもう1つの目的地は、アルガマシージャ・デ・アルバというこれまた小さな町。先ほどの風車の丘から、約50キロ程のドライブです。

さて、ラ・マンチャ地方の冒険劇を描いた、セルバンテスの名作ドン・キホーテの序文は次のように始まります:
En un lugar de la Mancha...(ラ・マンチャ地方のある地で。。。)

ここで、上の写真にある、この町の入り口にある標識に注目!
...el lugar de la Mancha(ここが、そのラ・マンチャの地)

たった un(不定冠詞)と el(定冠詞)を変えるだけでこんなに意味が変わってくるのか!と驚くと同時に、この町の観光局の人の粋な演出に、やられた〜、という感じです。

で、なぜこの町がそんなにドン・キホーテと結びつきがあるかというと。。。

写真:メドラノの家

このメドラノの家に、一時期セルバンテスが投獄されていたことがあり、その期間にドン・キホーテの着想を得た(らしい)ということなのです。投獄は税金横領の罪ということですが、セルバンテスが有名な作家だということで、いわゆる牢獄に入れるのではなく、当時市長の自宅だったこの家の中に「かくまった」という事らしいのですが。。。

写真:ここにセルバンテスが投獄されていた(らしい)

セルバンテスは、生涯の中で何度も投獄されており、実際にここで着想を得たのかどうかは謎のまま。ただ、そうあってほしいと言う願いを込めて、需要文化財にしていされているのです。


写真:アルマグロのパラドールにて

アルガマシージャのセルバンテスの牢獄の後は近くの教会で参拝し、夕暮れの町を後にアルマグロに向かいます。今日の宿は、アルマグロのパラドール。花粉にみまれた衣服を全てビニールに詰め込み、熱いシャワーを浴び、おめかしをしてパラドールでの夕食です。これはカルロさんが撮影してくれた1枚。お気に入りです。



写真:今日のお気に入りのツーショットは、クリプターナの風車にて

それにしても、なんともゆったりとした1日でした。深夜1時過ぎまで話は弾み、それでもまだ話し足りないくらい(笑)。そんなに何を話しているかって?世間話から始まり、音楽の話、若い頃と今の考え方の違い、子供の教育について、果ては共産主義とファシズムの違いは何ぞや(笑)というスゴいテーマまで飛び出し、ほろ酔い気分も手伝って私も含め、みな饒舌になっていました。

パラドールでの優雅な夕食も、話とワインと食事に夢中になりすっかり写真を撮るのをまたすっかり忘れてしまいました。失敬!





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