2009年2月12日木曜日

サラ・バラスの『カルメン』


今日は、朝から慌ただしい一日でした。昼過ぎからマドリードでのセミナーへ参加し、一旦家に帰ってから、夜はサラ・バラスの公演。マドリード市内から自宅まで往復100キロの道のりですから、今日だけで200キロ以上の運転ということになります。郊外に住むとこういうところがちょっと不便です。


さて、マドリードに本部のある、SGAE(スペイン作曲家協会)は、定期的に色んなテーマでセミナーを開いていて、今日は久々に興味のあるテーマだったのでセミナーに参加しました。アメリカのボストンにあるバークリー音楽大学の教授を招いての、音楽産業に関する講義。みっちり3時間の講義でしたが、こうした催し物に無料で参加できるのは嬉しいところです。


写真:サラ・バラス『カルメン』のプログラム

そして、夜はサラ・バラスの『カルメン』の初演に招待されて行ってきました。

写真:マドリードのロペ・デ・ベガ劇場前

サラの初演の日はいつもそうですが、テレビカメラもたくさん入って、とにかくものすごい人です。スペインの芸能人たちもたくさん招待されていて、サラの人脈の広さが伺えます。

写真:ロペ・デ・ベガ劇場入り口は大混雑!

『カルメン』というと、アントニオ・ガデスの『カルメン』の印象が強烈ですから、同じ名前でフラメンコの作品を創るのは、勇気のいることかもしれません。が、彼女の良さをうまくまとめあげた立派な作品でした。

アントニオ・ガデスの『カルメン』とは違い、ストーリーを楽しむ戯曲というよりも、フラメンコを全面に押出した舞台作りが印象的でした。衣装、靴、アクセサリー、マントン、小物や椅子にいたるまで全てが黒、赤、白の3色のみで統一されていて、この色の組み合わせを巧みに使って、情熱や嫉妬、怒りや悲しみを表現しているところも素晴しいと思いました。

選曲にもオリジナリティーが溢れています。ソレアやファルーカ、タンゴやルンバだけでなく、オリジナルの振付けのセビージャーナスを華麗に踊っていたシーンも印象的でした。サラ・バラスの一番の見せ場であるサパテアードも絶好調で盛り上がった舞台でした。