写真:我家の標準米、ラ・ファジェーラ
スペインには、パエージャに代表されるような美味しい米料理もあります。米の値段も安い。我家で愛用してる「ラ・ファジェーラ」のお米は、1袋1kg入りで1.2ユーロ(約150円)で手に入ります。確かに、パエージャは美味しく出来ますが、白米となると日本人の私の舌はけっこうグルメで、魚沼産のコシヒカリが恋しくなるのです。
色んなメーカーのお米を試してみましたが、結果はいつも同じ。日本から高級炊飯器を持ち込んでいるのに、仕上がりはお米の粒がちょっとつぶれた、例えてみるなら、古々米を炊いたような触感なのです。
ところが、先日「ウソだと思って試してみて!」と、スペインに住む日本人の友人から、ある秘訣を伝授されました。といっても、半信半疑でなかなか踏み切れず、初めて挑戦したのが先週のこと。「うそ〜!」と目から鱗の新発見だったのです。
その秘訣とは、ごはんを炊く時にちょっぴり蜂蜜を加える、という簡単なもの。ごはんに蜂蜜?というところに、ちょっと違和感があったのですが、これが、意外や意外。蜂蜜の甘さは感じず、べたつき感もなく、お米のうまさが引き出され、しかも米粒が立ってる!1kg150円のお米が魚沼産に変わった瞬間でした。
ちなみに、その後インターネットで色々調べた結果、蜂蜜にはでんぷんを分解して糖分に変える酵素があって、この酵素がごはんのおいしさを引き出してくれるそうです。うん、勉強になった。ただ、この方法で炊いたごはんを長時間保温状態にしておくと、お釜と接している部分が茶色っぽく変色してしまうので注意!
さてさて、おいしい白米が炊けるとなれば、おいしいおかずを作らなきゃ!です。フアンさんと私の大好物は、ブログにも何度か登場した餃子。しかし、家族に日本から持って来てもらった餃子の皮は既に前回使い切ってしまっています。が、思い出しました!前回の私の餃子のブログにコメントをくれた、スペイン人のご主人とアンダルシアに住んでいる大学時代の友人のアイデア。「私は餃子をつくるときエンパナディージャ用の皮をつかっているよ。La Cocineramというやつ」
写真:エンパナディージャ
エンパナディージャというのは、野菜やひき肉などの具を詰めてオーブンで焼いたスペイン料理。主菜ではなく、オードブルのような感じで出されることが多い料理です。地方によって、また家庭によってありとあらゆるものを詰めて焼き上げます。さめても美味しい。改めて見ると、これって餃子に形がそっくりです!
写真:エンパナディージャの皮(友人推薦のLa Cocineraです)
そして、友人おすすめのエンパナディージャの皮を入手。16枚入りで85セント(約100円)。見た目も大きさも、完璧です。でも、本家の餃子の皮と比べると、柔らかくて気をつけないとすぐに破れてしまうのが難点。ゆっくり、丁寧に、そして焼く前の状態になったのがこちら↓
写真:エンパナディージャの餃子!後は焼くだけ
さて、これをフライパンで焼いていきますが、これがまた結構難しい。というか、ちょっと本家餃子の皮と勝手が違う。皮が柔らかいので、隣同士くっついていると、後から剥がすのは困難。というか、不可能。油の量が多いと、生地がお菓子のようにサクサクになってしまい、餃子っぽくならない(涙)。なかなか調子がつかめないままに、失敗を繰り返し、なんとか完成!
写真:ついに完成!エンパナディージャの餃子
見た目は、餃子そっくりに出来上がりました。気になるお味の方は。。。?美味しい!なかなかの出来ばえです。グルメなフアンさんの感想は、「う〜ん、ま、比べなければ美味しいかな?やっぱり、手作り餃子の皮に挑戦か?!
*今日のことわざ*
A falta de pan, buenas son tortas.
(あ ふぁるた で ぱん ぶえなす そん とるたす)
Tortasは、固い小麦粉のパンのこと。ふっくらとしたおいしいパンが手に入らないような厳しい状況では、あるもので我慢し、美味しいと思え、という戒め。
とはいえ、今回のエンパナディージャの餃子は「我慢する」なんて言葉とはかけ離れた、美味しい出来でした。私的には満点なんですが(笑)。