2011年3月1日火曜日

古本屋の魅力


写真:マドリードの古本屋

今日は、ちょっとした空き時間が出来て、マドリードで時々足を運ぶ古本屋へ行ってみた。別にほしい本があるというわけではなく、近くにいたので時間つぶしに。

スペインには、古本屋はあまりないように思う。もともと本を読まない国民なのか、本を買うという行為そのものがあまりないのか、定かではないけれど。

新聞を購読するという習慣はない。あれは、日本特有の習慣なのだろうか?スペインで新聞は読み回しが基本。バルやホテルにおかれている新聞を皆が回し読みする。だから、発行部数も日本では考えられないくらいに低い。最有力のエル・パイス紙でさえ、一日16万部程度だ。

話がそれたが、この小さな古本屋は、1階と地下の2フロアに、とにかくところ狭しと本が並んでいる。ほんとに小さな古本屋だけれど、いつも7〜8人のお客が立ち読みしたり、探し物をしたりしている。たったこれだけの人数でも、店内では「ごったがえした」ような賑わいを感じる。

店内にこの不思議な活気があるのは、店が狭いとか、足の踏み場もないとか、そういう理由ではないと思う。見ず知らずの人と、古本というキーワードで何故か結ばれたような親近感がお互いに湧いてしまうせいかもしれない。

この古本屋には、いわゆる新刊は殆ど置いていない。限りあるスペースの中に、ありとあらゆる分野の、もう絶版になったような本が文字通り山積みになっている。目的があってくると探すのに一苦労だが、あてもなくふらっと立ち寄るには最高の場所。店に入った瞬間の一瞬鼻をつく、つんとした古本特有のにおいも、私は好きだ。

同じ古本屋でも、チェーン店のブックオフにはない不思議な魅力を残した、マドリードの小さな古本屋で、午後のひとときを過ごした。






日本ブログ村のランキングに参加しています。
にほんブログ村 海外生活ブログ スペイン情報へ
よろしければ、応援の1クリックお願いします!