写真:バルセロナ行きのAVEに乗車
今日から3日間バルセロナへ出張です。マドリード〜バルセロナ間には昨年AVEが開通し、とても便利になりました。直行便だと約2時間40分でマドリード・バルセロナ間を移動できます。飛行機の場合は1時間で着きますが、市内からは離れた空港まで行き、しかも1時間半前にはチェックイン。到着しても荷物が出てくるのに時間がかかり、さらに郊外にある空港から市内まで移動。一方、AVEはギリギリ5分前までに着けば乗車できるし、荷物は預ける必要無し。しかも駅は市内の中心地にあるため、なにかと便利です。
スペインの新幹線「AVE」は、Alta Velosidad Españolaの頭文字をとったもの。同時にAVE(アベ)は大きな鳥を意味するため、翼を広げた鳥がロゴとして使われています。
1992年にセビージャで開かれた万博を機に、まずマドリード〜セビージャ間が開通。現在ではマドリードを起点に、バルセロナ、セビージャ、マラガ、トレド、バジャドリードが繋がっています。工事が進行中の路線はマドリード〜バレンシア間。バレンシアに行くことも多いので、これが開通するとかなり便利になるので期待していますが、いつ出来上がるかが不明。明確に宣言しないところがスペインっぽいところです。宣言しても平気で破るところもまたスペインらしいのですが(←バルセロナ路線の開通も相当遅れました)。
地図:スペインのAVE路線(直線が開通、点線は工事中)
私がマドリードに住んでいて便利だな、と思うことの一つは、地理的にマドリードがイベリア半島の中心に位置するため、スペイン国内移動がとてもスムーズな点です。スペイン政府は2010年までに、首都マドリードとスペインの全ての州都をAVEによって4時間以内で結ぶ計画を打ち出した、といつか新聞で読みました。実現すればスゴイですが、2010年が来年に迫っている現状では、まあ、完成は多分相当先送りになることでしょう。
AVEのサービスはなかなかのもの!飛行機のサービスを連想させます。多分競争しているんだろうな。まず、ビデオの上映があります。これは全クラス共通。配られるイヤホンは持ち帰ってOK。プレフェレンテ(1等)とクルブ(特等)は食事のサービスがあります。パンやコーヒーのおかわりを持ってくる姿はスチュワーデスそのもの。また、機内誌のような無料のAVEの雑誌「パイサヘ(風景)」があり、機内販売のようにワゴンでお土産を販売に来ます(ただし免税ではありません)。あ、あと最近のサービスで、インターネットで予約、インターネット割引(最大60%割引!)、Eチケット発券というのも魅力的。チケットを購入するとメールアドレスにチケットが送られて来て、それをプリントアウトすれば乗車準備完了。以前のように旅行会社に行ったり、駅の窓口で長い行列を作る必要もなくなりました。このあたりも飛行機のサービスをかなり意識してるな〜という感じです。
その他にAVEのいいところは、到着が5分以上遅れたら全額払い戻し!という制度。昨年マドリード〜バルセロナ間で乗車した時、到着が10分遅れたので、到着後ウキウキと払い戻しのカウンターに行ったら、「マドリード〜バルセロナ間は、5分ではなく20分以上の遅れがあった時払い戻しされます」といわれがっくり。そうか、まだ新しい路線だし慎重になっているんだな。でも、もともと到着時刻の設定は大幅にゆとりを持たせてあるのか、殆どの場合5分以上前に到着します。ちょっと、セコいと言うかなんと言うか。
*今日のことわざ*
Las cosas de palacio van despacio.
(らす こさす で ぱらしお ばん ですぱしお)
直訳すると、「宮殿の仕事はゆっくり進む。」転じて重要なこと、難しいことにはそれなりの時間が必要ということ。ローマは一日にしてならず。AVE路線も一日にしてならず。辛抱強く待ちましょう。